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絵本紹介 | コラム

タイトルの文字もおいしそうなパンの絵本 プレッツェルのはじまり

 プレッツェルというドイツのパンを知っていますか? 不思議なかたちにねじれていて、ちょっと硬いけど食べごたえばつぐん、ぴりっと口に広がる塩味がおいしいパンです。
 この絵本は、パン職人のおじさんをもつエリック・カールさんが、おばあちゃんからきいた昔話をアレンジして描いた、プレッツェルができるまでのお話 ──。

 ウォルターは町中で、いえ、国中でいちばん腕のいいパンやさん。かりかりのパン、もっちりとしたパン、ずっしり重たいライむぎブレッドも、あまいパイもクッキーも……どれも町の人に大人気です! お客さんが列をなしてお店にやってくるだけでなく、毎朝、王様と女王様のお城にも、朝食のロールパンを届けています。

 ところが、ある朝のこと。ウォルターの猫がだいじな牛乳のたるをたおしてしまいました。「かわりに みずを つかっても、だれも きづかないかも……」。ウォルターは、しかたなく水でパンをこねてみました。味のちがいにいち早く気づいたのは、ウォルターのパンが大好きな王様と女王様。怒った王様は、ウォルターにある難題をあたえました。

 そう、そのこたえがプレッツェル、というわけです。さて、それはどんな難題だったのでしょうか?

 アーサー・ビナードさんのリズミカルな訳が魅力の、おいしくてゆかいな絵本!