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絵本紹介 | コラム

1冊の絵本にさまざまな学びがある! ごきげんななめの てんとうむし

 ごきげんななめのてんとうむしは、今日はちょっとけんかしたい気分。

 同じてんとうむしの仲間に「そんなら、もっと 大きい あいてと やったら どう?」といわれて、「ようし、ぼくの つよいところを みせてやる」と飛んでいきました。

 そして、つぎつぎと生き物に話しかけます。
 まず出会ったのは、はち。

「ぼくと けんか したくないか?」
「きみがしたいって いうんならね。」
はちは 、そういって とがった はりを みせました。

 ところが、ごきげんななめのてんとうむしは……

「ぼくと やるには ちょっと 大きさが たりないな。」

 と、強気(?)の発言!

 そんなやりとりをくり返しながら、てんとうむしは(だれともけんかをせずに)どんどん大きな生き物に話しかけていきます。くわがた、かまきり、ざりがに、ハイエナ……そして最後はくじらに! 生き物が大きくなるにつれて、画面も文字も大きくなって大迫力!(でも、てんとうむしは相対的に小さくなっていきます!)

 くり返しの表現に親しみながらも、ページをめくるごとに出会える多様な生き物や、画面の大きさの変化が、新鮮な驚きをあたえてくれる1冊です。

 もうひとつの工夫が、一日の時刻の移り変わりを、お日さまの高さと時計で表現していること。時間の間隔と、時計の針の読み方も学ぶことができる、カールさんならではの遊びが入った、うれしい絵本です。