エリック・カール スペシャルサイト

絵本紹介 | コラム

ようこそ、友だちがいっぱいの水中旅行へ! やどかりのおひっこし

 やどかりは、貝を背負って生きる、海の生き物。身体の成長にあわせて、自分にぴったりの大きさの貝殻をさがしては、何度も引越しをくりかえす、というおもしろい特性があります。『やどかりのおひっこし』は、そんなやどかりの家さがしを描いた絵本です。

 主人公のやどかりが新しいおうちをさがしていると、大きくて丈夫そうな貝殻をみつけました。身体をくねらせたり、ゆすったりしてみると、大きさもぴったりで具合がよさそうです。けれども、一つだけ気になることがありました。それは、貝殻がちょっと地味でさびしいこと。そこでやどかりは、つぎつぎ出会う海の生き物に、立派な家にするための手助けをたのむことにしました。きれいないそぎんちゃくや、明かりをともして泳ぐはだかいわしなど、海の仲間たちの協力で、家はだんだん華やかになっていくのでした。けれど、そのうちまた貝殻がきゅうくつになって……。

 やどかりの家さがしを通じて、友だちとの新しい出会いと別れを描いた絵本。さまざまな海の生き物たちの色や形、特徴の魅力にも気づかされます。