

はじまりは、白いネコだった。桜若葉小学校の6年生シュンは、ネコを助けたのがきっかけで、別世界のサクラワカバ島へ行き来できるようになる。ふしぎで満ちあふれるその世界に魅了されるシュン。ところがある日、島の自然を守り続けている「森の石」をねらうロボットたちの存在に気づく。島を守るため、シュンは仲間たちとともに立ち上がった。『カメレオンのレオン』など桜若葉小学校シリーズで活躍したキャラクターたちも登場する、大長編ファンタジー。
受賞歴:
ひさしぶりの長編です。題名は『森の石と空飛ぶ船』。主人公は6年生の少年、シュンです。特別に格好がいいとか、なにか能力を持っているとか、じつは王子さまとか、そういうことは全然ありません。クラスでは、ぼんやりしたなんだかわからない子、と思われています。そんなシュンが大冒険に引きこまれていきます。
シュンがかよっているのは桜若葉小学校です。桜若葉小学校は、『夜の小学校で』『カメレオンのレオン つぎつぎとへんなこと』『カメレオンのレオン 小学校の秘密の通路』の舞台でもあります。ですから、そこに描かれたキャラクターの何人かが、この物語にも登場します。最初に出てくるのは『夜の小学校で』に登場した白ネコです。それからカメレオンのレオンも出てきます。『カメレオンのレオン つぎつぎとへんなこと』に登場したヒキガエルはにせものでしたが、この物語では、ほんものが出てきます。『カメレオンのレオン 小学校の秘密の通路』のジュリエットも出てきます。ほんのちょっぴりメアリ・ピンポンも登場します。トモローとアミは6年生になって登場します。
もちろん、それらの物語を読んでいなくてもじゅうぶんたのしめますが、もし読んでいたらなつかしい友人に出会った気分になれるかもしれませんね。
『二分間の冒険』『選ばなかった冒険』以来の、学校から始まる冒険長編三部作です。長編のたのしさを味わっていただければと思います。
岡田淳さんの作品で、桜若葉小学校が舞台になっている作品は?という問いに答えられるあなた。あなたはかなりの岡田淳ファンです。岡田淳さんはこれまで、『カメレオンのレオン』『小学校の秘密の通路』『夜の小学校で』の三作品で、「桜若葉小学校」を舞台にしています。桜若葉小学校には大きなクスノキがあり、そのから向こうの世界に行き来できるのです。『森の石と空飛ぶ船』は、桜若葉小学校と繋がっている別世界サクラワカバ島が舞台です。
「夜の小学校で」や「カメレオンのレオン」「小学校の秘密の通路」に出てくる人や動物もたくさんいておもしろかったです。「夜の小学校で」でウサギのスープを飲んでいたアノ人は、クスの木から行けなかったのですか? ゆうれいねこのしょうたい分かってスッキリ!(11歳)