赤ちゃんの初めての絵本、ファーストブックのベストセラーとして知られる『じゃあじゃあびりびり』の作者であるまついのりこさんが、2017年2月12日にお亡くなりになりました。享年82歳でした。
まついさんは、お子さまが生まれたのをきっかけに、お子さまのために絵本づくりをはじめ、その手作り絵本がもとになって『じゃあじゃあびりびり』は刊行されました。はっきりとした色づかいや、赤ちゃんの視野にあわせた大きさ、文字も絵の一部として表現する……など、赤ちゃんのことを考えてつくられた本書は、1983年の出版以来、ファーストブックの定番として多くの赤ちゃんに親しまれ、その後の赤ちゃん絵本の基本をつくったともいえる作品です。
ほかにも、「下村式 漢字の本」シリーズのイラストや、『ぴーちゃんにじにのる』をはじめとした「ちっちゃなちっちゃなおばけ」シリーズなど、多くの作品を世に送り出しました。
『じゃあじゃあびりびり』は、目のみえない赤ちゃんや親御さまにも読んでいただけるように、文字には点字を、絵には隆起印刷を施した『てんじつきさわるえほん じゃあじゃあびりびり』を、昨年刊行したばかりです。また、「下村式漢字の本」の姉妹版となる『下村式となえて書くひらがなドリル ひらがな練習ノート』の刊行も3月に控えているところでした。2冊とも、見本をお送りしたところ、お亡くなりになるまでベッドの傍らにおいてくださっていたとのことです。
まついさん、今までたくさんの本をありがとうございました。心より、ご冥福をお祈りいたします。