夕暮れの公園で、乳母車の中から赤ちゃんが空を見ています。東の空から、まんまるい月がのぼってきました。
バレエの練習から帰る女の子や、新しい運動靴を買った男の子、仕事が終わった洋裁店の親子や、ギターの練習をしている人、夕食のかたづけをするおじいさんとおばあさん。町に暮らす人たちも、ふと見あげた空にまるい月をみつけます。
公園にあつまった猫たち、山にいる熊の親子、海でジャンプするクジラの上にも、まるい月が輝いています。
それぞれの人が暮らす、それぞれの場所に、やさしい光がふりそそぐ夜。町の公園では、にぎやかなお祭りがはじまりました。
受賞歴:
ふと見あげた空に満月をみつけたときのうれしさ。それはきっと、子どもにも大人にも共通のものじゃないでしょうか。大よろこびをするほどのことではないけれど、いろんな場所で、それぞれの人が、おなじ月を見あげてうれしい気持ちになっているとしたら、それはとてもすてきなことだという気がします。そのうれしさは、日々の暮らしの中で受け取る、ささやかなごほうびのようなものなのかもしれません。
荒井さんが描く夜の風景は、しっとりとした闇とあたたかな街の灯りが美しく、その中で営まれる人々の暮らしが愛おしく感じられます。そして、そのすべてを静かにてらす月の光の清らかさ。ゆっくりとページをめくって読んでいただきたい絵本です。
「この月を誰かも見ているんだろうなあ」という気持ちになりました。人間だけでなく動物も。海でも山でも。赤ちゃんが「そらをみてわらっています」が月の美しさを際立たせ、なんどもなんどもれんしゅうするギターの音が心地よく響きます。子どもたちだけでなく、大人もきっと読んだらほっとするような一冊だと思います。(50代)
すごい本をありがとうございます!!からだの中に、おつきさまのひかりが広がって、とてもすがすがしい。なんか…生まれかわったような気持ちになりました。ごほうび、いのりがページの中から、どうぞ、あなたに、あなたにも、はいどうぞ!と呼びかけてくれています。(9か月・お母さまより)
力強くも優しい絵で、同じ月をみているような気分になり、ほっこりします。動物も人間も、誰もが平等に見ることができる月。誰にでも平等にごほうびがあるのだと、あたたかな心になれる本です。(1歳・ご家族より)
荒井良二さんの作品が好きでずっと気になっていたので購入しました。文章が少ないので読むことに集中しすぎないところがとてもいいです。そのぶん絵をじっくり見て、こどもとの会話を楽しんでいます。ページごとに前に見たものが描かれていて、見つけたりしながら読み進めています。大切にしていきたい絵本のひとつです。(3歳・ご家族より)
書店で一目惚れした絵本です。どのページも好きですが、クジラのページが一番ひきこまれます。3歳の息子の反応はいまいちでしたが…。一日のおわりに、この絵本を開くと明日がとても楽しみになり優しい気持ちで眠ることができます。
詩情ゆたかなすてきな絵本です。「あさになったのでまどをあけますよ」も好きですが、月の絵本が好きなので、出会えてうれしかったです。(読者の方より)
大人が読んでも引き込まれる絵と文章で、近くの他人も遠くの国の誰かもおつきさまをとおしてつながっている様や、赤ん坊の瞳にはこんなふうにいろいろな命が映っているのかなといろいろなことを感じさせられました。(2歳・お母さまより)
1日が終わって「ごほうびのようなおつきさま」に見えるよう、まろやかな気持ちで丁寧に生きたいと思います。荒井良二氏の作品はとても好きです。(読者の方より)
荒井良二さんの絵本が大好きです。一見つたないかのように思える字で書かれた短い宝石のような言葉、そして美しい色彩。そうそう、世界は美しいのだった。自分の見たい世界は、こんな美しさと静けさと尊さに満ちているのだった。そんなことを思い出させてくれます。絵本を開いたままイーゼルに飾っておきたいくらい!いつも素敵な世界に気づかせてくださり本当にどうもありがとうございます。(5歳・3歳・お母さまより)
わたしは、バレエをやってるので、まるでわたしのことをいってるようでした。バスにのってるところは、ちがかったけど、わたしみたいだったから、うれしいです。(7歳)
赤ちゃんの目にうつる月はこんなにファンタジーでキラキラしているのか!ととても感動しました。くまの親子のシーンもすごくすきです。2回目3回目でバレリーナの女の子を何ヶ所でもさがしたり。とにかく絵がステキでずっとみていたいえほんでした。小さい子どもにもよみやすいと思います。(10歳・お母さまより)
色々な人がそれぞれ違った思いでをみつめる様子が描かれていました。また、空に浮かぶ月はもちろん、それを見つめる人々や動物の輝く瞳が美しかったです。昔から人々や動物は月にどのような思いをはせてきたのか、とか、月は私たちのことを見守ってくれている気がするとかいろんな想像がふくらむ心あたたまる絵本でした!(18歳)
冬の冴えざえとした、リンとしたお月さまが大好きでした。でも今回ふんわりあったか〜いお月さまの話……とても感動しました。ありがとうございました!(67歳)
昔幼稚園教諭をしておりました。現場を離れてもいつも絵本からやさしさや思いやりを教わります。わずかな言葉で圧倒されっぱなしです。ありがとうございました!(50代)
読んでいるといろんな生き物、人たちが各々のくらしをしていて、お月さまがそれをやさしくてらしていることが一冊の中に描かれていて、あたたかい気持ちになります。色彩の美しさや、自由な描き方、大きく自由な視点がすばらしいなあと思います。読めば夜の旅をする気分です。ありがとうございます。(60代)
元々「あさになったのでまどをあけますよ」を本屋で数年前に美しい本だなあと一目ぼれで購入した経緯がありました。その頃から荒井良二さんの絵本は注目するようにしていて、これもまた美しい本だなあと本屋で手にとった一冊でした。あさの本のアンサーブックのようです。特にストーリーがあるまけではないのですが、全てのページがお月さまを介してひとつの世界になっていてなんだか夢をみているような、不思議な感覚になる内容でした。おじいさんが食器を洗っているシーンがすきです。(1歳・お母さまより)
2年前、外科手術で入院中にベッドから空にまるい月が見えました。初めての長期入院はコロナ禍で面会の機会もなく、外の様子は窓からの景色だけ、夜、月を眺めながら、今この時、世界中の人たちがこの月を見ていることに何故か感動しました。「ごほうびのようなおつきさま」と見上げた皆んなが思ってくれますように!(70代)
荒井良二さんの絵本はステキだなと思っていましたが、今回初めて購入しました。最近お月さまの存在を知った娘と一緒に読みたくて選びました。ページをめくる度にお月さまを見つけてニコニコしています。赤ちゃんも見つけるたびに指さし「かわいいね」と言っています。少し成長を感じました。やさしい絵本ですね。(2才・女の子のお母さま)
2年前に本屋で見て、ずっと忘れられなくて(気になっていて)今日、再び見つけて購入しました。つらいことがあったり、生きている意味もわからなくなったり、そんな時、この絵本に出逢いました。心があたたかくなって、優しい気持ちになれるすてきな絵本です。絵も色あいも、ことばもみんな大好きです。出版して下さって、心から感謝します。「ごほうびのようなおつきさま」月を眺めるたびに、思い出し穏やかが気持ちになれそうです。(50代)
この本の“まるい月”くり返される“まるい月”にほっとします。なつかしく落ち着きます。描かれている女の人は娘に似ていて、赤ちゃんは息子が赤ちゃんだった時のよう。大きな瞳!心安らぐご本をありがとうございます。今、おもてはぽつぽつと雨が降っています。今夜の月はどうなるかなと思っているところです。(70代)
すごい本をありがとうございます!!からだの中に、おつきさまのひかりが広がって、とてもすがすがしい。なんか…生まれかわったような気持ちになりました。ごほうび、いのりがページの中から、どうぞ、あなたに、あなたにも、はいどうぞ!と呼びかけてくれています。(9ヶ月男の子のお母様)
横須賀美術館で出会いました。“きょうはそらにまるいつき”読みながら心が波うちました。絵の中にどこかに自分の姿があるようで、そしてきっと見上げている木のかげかもしれないし、小さな窓からかもしれない。私の姿をさがしているような…お母さんに抱かれた赤ちゃんかもしれない。不思議な気持ちになりました。(70歳)
「みんなのよるに それぞれのよるに ごほうびのようなおつきさま」月を見て、心が空っぽになっていくような、シーンとしたあの気持ちに、名前をつけてくれて、ありがとう。(50代)
荒井良二さんの絵本は、自分の中にずっとあったのに気付かず、閉じたままになっていた扉をパーっと開けてくれる、そんな清々しさがあります。(8才・男の子のお母さま)