上橋菜穂子の代表作「守り人」シリーズ最新刊!
『風と行く者––守り人外伝––』が、11月下旬にハードカバー版&軽装版で同時発売します!
上橋菜穂子の代表作「守り人」シリーズの新作となる、守り人外伝『風と行く者』が11月下旬に刊行されます!
第12巻目となる『炎路を行く者––守り人作品集––』から6年。『風と行く者』は、まだ少女だったバルサが、ジグロとともに護衛をしたサダン・タラム〈風の楽人〉を、20年後に再び護衛する縁からはじまる、長編物語です。
「守り人」シリーズの長編作品は、『天と地の守り人』での本編終了後、初となります。ぜひご期待ください。
・ハードカバー版 風と行く者
【初回限定特典付】佐竹美保&上橋菜穂子によるW複製原画入り!
佐竹美保さんには描きおろしカラーイラストを、上橋菜穂子さんにはNHKドラマ「精霊の守り人」の出演者のイメージで、バルサとジグロを描いていただきました。
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ひょっこり帰ってきた物語
どんぶらこ、どんぶらこ、と川を流れてきた巨大な桃を拾ったら、中から赤ちゃんがでてきて、突如、育てることになってしまった、お爺さんとお婆さん。
とってもうれしかった半面、正直、かなり、うろたえもしたのでは、と、大人になってから、思うようになりました。
ご近所さんたちも、ええ? なにがどうして、どうなって、今頃、子どもができたんだ? と、思ったでしょうし。『風と行く者』は、どんぶらこ、どんぶらこ、と流れてきたわけではなく、かなり以前に書き始めたものの、途中で書けなくなっていた物語なのですが、守り人シリーズが完結してから何年も経っているのに、なんで今頃、短編でなくて長編の、しかも、バルサのその後も書いてあるような物語が、ぽこっと世に生まれ出ることになったのかと、いぶかしく思う方もおられるのではないでしょうか。
実は、『風と行く者』の誕生には、私が意図したわけではない、いくつかの巡りあわせが関わっておりまして、その「巡りあわせ」が書かせてくれた、というのが正直な実感なのです。
物語誕生のいきさつは、本のあとがきでくわしく書きましたが、私は作家としての技術で物語を書いているというよりは、人生の道筋で行き会った経験に書かせてもらっているのだなと、今回、つくづく感じました。それにしても、完結しました、と言った後で長編の物語を世にだすというのは、やはり、なんとなく恥ずかしいものですが、突如桃を拾ってしまったお爺さん、お婆さんと同じく、突然、我が心にやってきてくれて、ふたたび芽吹き、育ち始めた物語ですから、大切に心を込めて育てました。
バルサふたたび、であります。
楽しんでいただければ幸せです。2018年9月13日