

「おねがいしますっ!」
針を持ってた手をひしとつかまれ、「ひぃ」って小さな悲鳴がのどからもれた。
「助けてください!」
ケガでサッカー部の練習を休んでいた針宮優人は、
クラスメイトの糸井さんによって、強引に被服部の助っ人にされてしまう。
被服部にいたのは、空気を読まない糸井さん、明るく大胆なマスミン先パイ、男子は断固拒否(!)なサンカク先パイの3人だった。
じつは、裁縫が大好きで、得意だったことを見破られた優人は、文化発表会用のドレス作りにまきこまれていく。
ケガを心配して、復帰を待ってくれているサッカー仲間のカイトにはいいだせないまま、被服室に通ううち、優人は、手芸が大好きなのに、一方でそれをはずかしいと思う自分の気持ちにむきあっていく。
ほんとうに好きなことに正直になりたい、手芸男子ストーリー!
ひとにはいえないけど、大好きなものってありますか?
この本の主人公、針宮優人は、裁縫やかわいいものが大好きな手芸男子。しかし、それを隠してサッカー部に所属しています。
自分が好きなものを隠すのは辛い、でもそれを話したら、からかわれるかもしれない。揺れ動く優人は最後にどんな決断をするのでしょうか。
軽快なテンポと展開で、少年の揺れる気持ちを繊細に描いた作品です。
ちょっとおとなしめ男子(息子がそうです)自分が縫い物好きという共通点があって面白そうと思い購入しました。中学生という多感な時期に自分の「好き」を出すかかくし続けるか…みなが悩むことですがハリくんの素直な部分に周りの人たちもまた刺激をうけて成長していく姿がとてもさわやかで素敵に感じました。(30代)
神戸さんへ わたしはこの本を読んで、せいべつなどはかん係なしに好きなことに向き合ってもいいんだなと本を通して分かりました。絵もかわいくて、中に入りこみやすい本でした!!(9歳)
男子だから女子だからという区別はナンセンス。好きな事をやっていけるような勇気をもらえる本でした。(11歳)
魅力的で個性豊かなキャラクターたちの中でも優人のやさしさ、まっすぐさに交換をもちました。縫いものと感情がたくみにリンクされているのも良かったです。ファッションショーで着ていた服もステキです。さし絵もとってもかわいかったです。(読者の方より)