願いをきいてくれるはっぴぃさんに、会いに出かけた男の子と女の子。何かを願うことへの作者の思いが静かに伝わってくる絵本。
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
僕の新しい絵本ができました。タイトルは『はっぴぃさん』。こわれた町に住む、ぼくとわたしが、願いを 聞いてくれるという “はっぴぃさん”に会いに行くお話。
でもね、まだ誰もはっぴぃさんには会ったことがないんです。ぼくはぼくの願い事があって、わたしはわたしの願い事があって、山の上の大きな石を目指してふたりは歩きます。はっぴぃさんは、ときどきその石の上にあらわれるんだそうです。
ぼくは、すこしのんびりや。わたしは、すこしあわてんぼう。こわれた町のぼくとわたしのたくさんの願い。はっぴぃさんに届くといいですね。
願い事って素敵だなあって思います。日々の小さな願い事から、大きな野望のような願い事まで、いろんな人のいろんな願い事があります。もちろん全てが叶う わけではないのですが、それが叶うか叶わないではなく、その願い事を持つことによって、今の自分、これからの自分を見つめることができるように思います。 もちろん叶えば良いのですがね。
ちっぽけな願い事っていいなあと思います。そういう願いを持つ人は、きっと他の誰かのことも思いやることができるんじゃないかなあ。
僕もちっぽけな願い事を持って、はっぴぃさんに会いに行こう! 絵本の中のぼくとわたしのように。
はっぴぃさん、はっぴぃさん、ぼくらの願いをどうぞ聞いて下さい、はっぴぃさん!
荒井良二