「明日からキツネくんはあたしだけのともだち!」それって何だかヘンだよね。ワガママ女の子テンの登場にキツネ、嵐の予感です!
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
「おれたちともだち」シリーズも、ついに第10巻を迎えました。
「これも、ひとえに、むにゃ、むにゃ、むにゃ、で…アリマス」
もちろん、むろん、いうまでもなく、第10巻にふさわしく、ついに美少女が登場します。と申しましても白雪姫や家具屋姫ではありません。キツネやオオカミにふさわしくテンのお嬢ちゃんです。
このお嬢ちゃんの吹く笛の音に、キツネがついふらふらと…。まあ、早い話がオオカミとの約束を破り。いけませんねぇ。それでどうなったか。
「教えるはずがないでしょ。買ってくださいよ。お客さん」
「だめ。どうしても聞きたい。どうしても。それじゃ、ちょっとだけですよ。ついにオオカミがキツネのほおを、ばちーんと叩いたんです」
あら、あら、お客さん、涙ぐんじゃったよ。
「おまえがいけないんだよ、オオカミ。なに、そうじゃない。約束を破ったキツネのほうが」
オオカミが、すっかりすねております。
まあ、それはともかく。噂によれば「おれたちともだち」シリーズも、これで終わりと聞いております。そりゃ、そうでしょ。オオカミがキツネのほおを思いっきり叩いたんですから。ばちーん、ばちーん、と。
噂ですよ。あくまでも、ウ・ワ・サ。
でも、いうでしょ。火のないところに煙は立たない。
「なに? つぎの第11巻は、タヌキの五人兄弟が…出てくる。しってたの? お客さん。意地悪だなぁ」
「降矢ななの絵が、どしたの? えっ、なんていったの。声が小さすぎて聞こえないよ。もっと、でっかい声でいって。」
「…こんどのも、まことに、はじけている」
「なーんだ、読んでるじゃない。お客さん、目が高いねぇ。どこから来たの? えっ、春の小川」
メダカさんのようでございます。(内田麟太郎)