キツネがつれてきたキュートなともだちヤマネ。オオカミは気になって、しかたありません。ともだちだから、気になるのかな?
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
さりげなくだったのか、意図的だったのか。編集者のKさんが「ヤマネ、もったいないですよねえ」と、おっしゃった。
ヤマネは、このシリーズの『あいつもともだち』と『ともだちおまじない』に、脇役ともいえないチョイ役で出ている。
「そうですねえ」
うなずきながら、わたしはその謎掛けの意図を理解できず、脳味噌をしきりにゆらした。『ともだちおまじない』も、Kさんのさりげないような、そうでないような、一言から始まっている。
「内田さん、つぎは川柳で書いてください」
「だめです」
川柳を書いたことがないわたしは即座にお断りした。それがどうなって、ああなって、こうなったのか……。気がつけば『ともだちおまじない』は世に出ていた。不思議である。
ヤマネ、ヤマネ、ヤマネ……。
わたしはヤマネの名前を何度もくり返した。オオカミが浮かんできた。そういえばオオカミはヤマネに……だったような気もする。
でも、気もするだけでは、物語は書き出せない。背中をポンと押してくれる、なにかが足りないのだ。ユーモアでしょうか。
それで、わたしはさらにくり返した。
ヤマネ、ヤマネ、ヤマネ……。
するとどうだろう。
ヤマネ、ヤマネ、ヤマネ……が、ヤマネ、ヤマネ、ヤマネ、やまねえ、になった。
雨が「やまねえ」。
それが、かくもすてきな絵本になったのは、ひとえに降矢ななさんの魔術である。
そういえば、わたしはKさんの魔術にかかっていたのだろうか。いや、きっとそうにちがいない。昨日も、Kさんは「降矢さんはタヌキがお好きなようですよ」と、さりげなくささやかれた。
運命は、さりげない出会いに隠れているようである。(内田麟太郎)
お月見の時期とバレンタインの時期に、小学校で読み聞かせに使わせていただいています♡(読者の方より)
ともだちやシリーズが好きで全て大人買いした今回、1冊ずつ娘と楽しみにしながら読んでいます。特に『きになる ともだち』は母の私がとっても気に入った1冊になりました。おおかみさんがかわいすぎる。さいごおおかみさんが「あめ、やんだな」と言ってきつねが笑うところ!!もうかわいくって、おもしろくって声を出して笑いました。久しぶりに本ってやっぱりいいなと思わせていただいたこの興奮を伝えたく筆をとりました。(5歳・お母さまより)