上橋菜穂子の実況レポート
NHKドラマ 「精霊の守り人」

Vol.01 セットに火を灯すとき

2015/07/21

読者のみなさんへ

 ここ数日、急に暑さが厳しくなってきましたね。お元気ですか。

 NHKドラマ『精霊の守り人』(第一シーズン)の主要キャストが発表になりましたので、現在の撮影の雰囲気などをお伝えしますね。

 まずは、基本的なことから。
 今回のドラマは『精霊の守り人』というタイトルですが、『精霊の守り人』だけでなく、番外編の『流れ行く者』なども含めて『天と地の守り人』まで、「守り人シリーズ」全12巻を、来春4話、2年後に9話、3年後に9話という形で、全22回で放映していく予定です。(時期などは、変更があるかもしれません)

 壮大なヨゴノ宮や、橋の下のトーヤとサヤの小屋のセットが組み上がったので、撮影に入ると聞いて、撮影スタジオにお邪魔したのですが、スタジオの外に、大きな調理台があり、ジュージューと魚が焼ける香ばしい匂いや、ご飯が炊ける匂いがしていて、びっくりしました。汗だくで調理をしていたスタッフが、にやっと笑って
「ノギ屋の弁当、仕込み中っす」とおっしゃって、あ、なるほど(笑)
 ちなみに、このノギ屋の弁当、バルサ役の綾瀬さんやチャグム役の小林くん、そして、トーヤとサヤちゃんの四人は、多分、5回ぐらい食べていました。
「美味しかったですよ」と、綾瀬さん、おっしゃっていましたけど、何回も、バクバクと美味しそうに食べなくてはならなかった子役さんたち、つくづく大変だなぁと思いましたし、リテイクの度に、ほかほかの新しい弁当をすぐに作ってもってくるスタッフさんたちも、本当に大変です。
 ヨゴノ宮は、これまた、びっくりするほど見事に作られていて、ガタイの良い狩人さんやら近衛士さんたちが駆け上がっても、こゆるぎもしません。細工も細やかで、中を歩いていると、異国の宮殿を観光しているような心地になりました。
 いくつもの柱に燈火を灯して撮影がはじまるのですが、火を灯す係りのスタッフは、真剣なまなざしで画面をのぞき込んで、一回ごとに燈火の微調整をしていきます。
 小道具ひとつ、ひとつに、その専門のスタッフの「仕事への熱」がこめられていることを感じずにはいられませんでした。
 セットも凄いですが、ロケも様々なところで行われるようですし、CGにも力を入れていただいています。すでに見せていただいている「風景イメージ」は実に美しく、これらすべてが合わさったとき、どんな映像世界が生まれるのか、とても楽しみです。
来年の春、4Kという美しい映像で展開される『精霊の守り人』のドラマを、楽しんでいただければ幸せです。

2016年3月より放送予定 NHK 大河ファンタジー 「精霊の守り人」原作2016年3月より放送予定 NHK 大河ファンタジー 「精霊の守り人」原作