編集部より

死者の日

2014/11/01

ハロウィンから一夜あけたきょう、メキシコでは
伝統的なお祭り「死者の日」が迎えられています。
不思議な名前のこのお祭り、いったいどんなものなのでしょうか?
きょうはそのようすをご紹介します!

「死者の日」とよばれるこのお祭りは、故人に思いをはせて語り合う日です。
11月1日には子どもの、2日には大人のたましいが戻るといわれています。

『メキシコ』の主人公、リセットが住む町では、死者の日の前日、
10月31日に、死者をむかえいれる準備をはじめます。
お母さんは「死者のパン」を焼いて、
朝食の食卓にならべました。
「死者のパン」には、死者を象徴する顔をかたどった
かざりがさしこまれています。
「チョコラーテ」という、シナモンなどのスパイスとチョコレートを
ねりこんでお湯を注いだものといっしょに食べるのだとか。

「先祖をむかえる」という点では、日本のお盆にも近いような
ところがあるかもしれませんが、おおきく異なるのは
町全体がぱあっとにぎやかなところ。
死者の日には、マリーゴールドの花をかざる習慣があり、
とくに、リセットが住む町から1時間ほどのところにあるオアハカでは、
オレンジ一色のかざりがとってもきれいです。

このほかにも、町なかには死者の貴婦人・カトリーナの人形が
いたるところにかざられていたりします。
このカトリーナは元々、ホセ・グアダルーペ・ポサダという風刺画家によって
描かれたもので、「どんなお金持ちも権力持ちも、死ねばみんなガイコツ」
というようなメッセージが込められていたそうです。
こういうところに、メキシコのひとたちの「死」にたいする
考え方があらわれているのかもしれないな、とおもいました。

都会のオアハカでは、さまざまな仮装をしている人もちらほらいて、
とてもにぎやかです。でも、リセットが住む町では、
それぞれが大切な家族のことを祈る静かなお祭りのようです。
リセットは、なくなったおじさんと、おじさんの家族のことを
思いながら、両手をあわせていのっていました。

世界のともだち⑬『織物の町の少女 リセット』の詳細はこちらへどうぞ!

(編集部・丸本)

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