取材日記

いよいよセスナに乗るの巻

2016/02/29

「オランダ」の取材日記、2回目です。(1回目はこちらです)デニスさんからのうれしいお誘いで、セスナにのることになった浅田さん。ドキドキの初搭乗のようすをどうぞ!

フライト当日、気持ちのよい晴天。
カメラも準備万端! ホテルから車で30分ほどのドライブののち、デニスさんの後をついて歩き、セスナの待機所へ到着しました。
まわりを見わたすと、停留しているセスナに乗り込む人の姿がちらほら見えました。 これは間違いなく飛行日和。
「今日はこれで飛びますよ」
デニスさんが指差す黄色×赤色のペイントがなされた目の前のセスナは、思っていたよりも小さい……。

観覧車のようなドアをパカッと開け、身長180cmごえと思われるデニスさんと横並びの席に座るとぎゅうぎゅうの機内。乗り込んだあとにガシャンとドアを閉めたものの、閉じられた感じがまったくしません。
計器パネルはすべてアナログ仕様、僕の愛車(昭和63年産トヨタマスターエースサーフ)ばりの趣きがあります。
これまで、吹雪や猛暑、荒れる海上、高山、アマゾン、過酷な環境での撮影は経験済みで、乗りもの酔いはしない体質と自負していますが、飛行機は超乗り心地のよい最新式のジャンボジェット機しか乗った事がありません。セスナ初体験の僕は急に不安な気持ちでいっぱいになりました。(心の声:だって遊園地のアトラクションのようなつくりだし……)

しかしここで辞退しますと言える訳はなく、さあ大空へテイクオフ!
耳をつんざくエンジンと風の音。激しい振動、まさにジェットコースター!
オランダの上空から、素晴らしいチューリップ畑の眺めを見おろしていたのだと思いますが、写真を撮ることに必死すぎて、まったく楽しむ余裕がありません……。

顔面蒼白の僕をよそに、デニスさんは貫禄の横顔。映画トップガンのトム・クルーズをふと思い出しました。

そして約1時間のフライトを終え、地上に降り立つ安堵感といったら……。
セスナを降りてフラフラの僕を背に、颯爽と歩くデニスさんの男らしさといったらもう……。
ちなみにセスナのレンタル料は日本円で約1万円ほどするそうで、これまた僕のためにとデニスさんが払ってくださいました……。本当にありがとうございます(涙)
フライト後は、富村さんとお子さんの待つ公園へと車で向かいました。
快適な車内、日本語堪能なデニスさんとのたわいのない雑談はこの上なく心地よいひとときでした。
デニスさんと僕の男気? でやっとの思いで撮った写真は39ページの「オランダのあらまし」に載っていますので、ぜひご覧くださいね。世界のともだちシリーズでも写真家撮りおろしの航空写真は珍しいのでは??

(写真・文 浅田政志)

世界のともだち㉝『オランダ サシャの笑顔はチューリップ』の詳細はこちらです。
浅田さんが決死の思いで撮影したチューリップ畑の空撮もばっちり載っています!

浅田政志

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1979年、三重県生まれ。自身をふくめた家族が被写体となった作品をおさめた写真集、『浅田家』(赤々舎)が第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。日本各地の市井の人々を撮影するプロジェクトにて精力的に活動をしている。著書に『NEW LIFE』『アルバムのチカラ』(赤々舎)、『家族新聞』(幻冬舎)、『通学路』(プランクトン)、『八戸レビュウ』(美術出版社)、『家族写真は「 」である』(亜紀書房)、『すごい!鳥取市』(玄光社)などがある。

浅田政志ドットコム

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