取材日記

はじめての国、オランダへ!

2016/02/24

きょうの取材日記は、出たばかりの『オランダ』から、浅田政志さんの登場です。主人公のサシャと知り合ったきっかけを教えてもらいました!

「世界のともだち」の撮影依頼をいただいたのは2012年春。近場の国だとしょっちゅう通えるな……なんて青写真を描いていた僕に、担当の秋重さんはにこにこ笑顔でこう宣告しました。
「浅田さんはオランダでお願いします、 被写体となってくださるお子さんが見つからない場合はご相談ください」
「あ、はい、オランダ、楽しみです」
……。
オランダに縁もゆかりも全く無い僕が、こどもとどうやって出会うのか? 困った困ったとそこかしこで吹聴していると、写真の現像でお世話になっている写真屋の店長さんからこんな電話がありました。

「僕の写真のワークショップ仲間にオランダ在住の方がいますよ」
その方こそ富村僚子さん。富村さんはのちに夫となるオランダ人のデニス・ディケルシャイドさんと日本で出会いました。とある映画イベントのボランティアをしていた富村さんが、偶然通りがかったデニスさんにチラシを手渡したのが縁とのこと。うーん、ドラマチック!
そしてデニスさんの同僚の娘さんにとても素敵なオランダ人の女の子がいると紹介してくださったのが、主人公のサシャです。

オランダには2014年11〜12月、2015年4月の2回訪問しました。
季節は凍てつく冬とチューリップが見頃な春。日本の四季と同じ感覚。
滞在中は、ホテル近くのお店で毎夜ステーキ・ポテト・コーラを食す日々でしたが、そんな僕を見かねて富村さんが自宅に招いてくださいました。
オランダの食卓にはよくチーズが登場しますが、富村さんおすすめ、「オールド・アムステルダム」というゴーダチーズが衝撃的においしい!! 思わずお土産で爆買いし、手渡したみなさんからも大絶賛。オランダに行かれた際はぜひ食べてみてください。
さて、富村さんはデニスさんとふたりの可愛らしい息子の四人暮らし。

育ち盛りのお子さんが家にふたりもいれば……仲よく遊んでいるそばからけんかが始まり、とてもにぎやか! しかし、こどもがいたずらやケンカをした時も、デニスさんはまず理由を聞きます。頭ごなしに叱ったりしません。僕はちょうど息子が誕生したころで、子育ての先輩としてデニスさんを憧れのまなざしてじっと見つめていました。すると、デニスさんから「もし空撮したかったら、ご案内しますよ」と意外なお誘いがありました。

なんとデニスさん、セスナの免許をお持ちで、時々フライトをするそう。よい本にするためにとお気遣いで誘ってくださったのです。
お言葉に甘えて、サシャの撮影が入っていない日にセスナに乗せてもらうことにしました。(続く)

(写真・文 浅田政志)

世界のともだち㉝『オランダ サシャの笑顔はチューリップ』の詳細はこちらです。
仲よし家族、サシャ一家のくらしをお楽しみください!

浅田政志

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1979年、三重県生まれ。自身をふくめた家族が被写体となった作品をおさめた写真集、『浅田家』(赤々舎)が第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。日本各地の市井の人々を撮影するプロジェクトにて精力的に活動をしている。著書に『NEW LIFE』『アルバムのチカラ』(赤々舎)、『家族新聞』(幻冬舎)、『通学路』(プランクトン)、『八戸レビュウ』(美術出版社)、『家族写真は「 」である』(亜紀書房)、『すごい!鳥取市』(玄光社)などがある。

浅田政志ドットコム

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