

「ヤマタノオロチ」「天の岩戸」「いなばの白うさぎ」……きっとどこかで、耳にしたことのあるお話だと思います。これら実はすべて、「古事記」に書かれた物語です。古事記は、日本のはじまりの物語が書かれた、現存する最古の歴史書。みなさんも、教科書や、旅先の神社、書物などでたびたびその一端に触れた経験があると思います。
けれども、実際に古事記そのものを読んだことがある、という方は意外と少ないかもしれません。というのも、何といっても全て漢字で書かれた最古の歴史書ですから、一般の私たちが読むことができるのは原文を訳したものなのですが、それでも表現が難解だったりつながりが分かりにくいことが多いのです。
『絵物語 古事記』(富安陽子 文 山村浩二 絵 三浦佑之 監修)は、この古事記の上巻におさめられた神話を、児童文学者・富安陽子さんが注釈なしでも読めるように息の通った言葉で語りなおした作品。最初にあげたエピソードも実はすべてつながったお話だということがよくわかり、純粋に一つの物語として楽しむことができます。しかも、国際的に知られているアニメーション作家・山村浩二さんによる、全ページ挿絵つき!
富安さんといえば、日本の風土にねざした神話や伝承をいかした、和製のファンタジーがお得意。そして山村さんは、もともと古事記に興味をおもちで、すでにその一部を短編のアニメーションにもしています。『絵物語 古事記』は、古事記を現代の子どもたちにもわかりやすく紹介するのにはぴったりのお2人が取り組んだ、絵と文が一体となった1冊です。
一方で、『口語訳 古事記』(文藝春秋)で知られる三浦佑之さんを監修者に迎え、原典に忠実であるように、学術面でのサポートをいただきました。わかりやすく原典の世界を楽しめる、まさに「はじめての古事記」として、多くの方に広く楽しんでもらえる作品です!
【イベント開催決定!】
2017年12月14日(木)19:00〜@代官山蔦屋書店
『絵物語 古事記』刊行記念
富安陽子×山村浩二トークイベント&サイン会+古事記アニメーション上映!