時代は3000年前の中国、仙人と人間が入り乱れての壮大な戦国ファンタジー。
妲己にたぶらかされた紂王(ちゅうおう)を見限った西域の周軍に、次々襲いくる商の軍。商の元帥・聞仲(ぶんちゅう)に率いられた仙人達と、周軍に味方する策士・姜子牙(きょうしが)、蓮の精・哪吒(なた)、三目(みつめ)の楊戩(ようせん)などの仙人たちが死闘を繰り広げる。仙界と人界が入り乱れて、妖術合戦となり、そのなかで巻き込まれる紂王の王子たちの悲劇。英傑たちの魂はつぎつぎに神界に封じられる。
デザイン科を卒業後、上京。SF・ファンタジーの分野で多数の作品を手がける。主な仕事に『虚空の旅人』『蒼路の旅人』『不思議を売る男』『宝島』『幽霊の恋人たち』『西遊記』『フランダースの犬』『魔法使いハウルと火の悪魔』『ローワンと魔法の地図』などがある。
中国明代に書かれたファンタジー戦記。妖姫に惑わされた紂王は、忠臣たちや、皇后を惨殺、酒池肉林にふけっていた。ちなみに「酒池肉林」の語源はここからきています。乱心の紂王に反旗をひるがえし、西伯候・姫昌は立これまであった仙界と人界とは別に「神界」を創るべく密命を帯びていました。表向きは悪逆非道な紂王を打ち負かす物語ですが、人も仙人も紂王側と姫昌側に分かれて戦い、破れたものは死して神界に封じられるのでした。上巻の「妖姫乱国」は紂王の乱心ぶりが中心に描かれます。