ある朝のことでした。「ごめんください!」という声のあと、ドンとマンションのドアに体あたりするような音が聞こえました。へんといえば、だいたいこれがもうふしぎでした。いってみれば、それがふしぎの始まりだったのですーー。マンションで一人暮らしを楽しんでいる「わたし」のところへとつぜんやってきた奇妙なトルコ人は、ふしぎな品物を売る腕利きセールスマン。わたしはそのトルコ人から、ついいろいろな物を買ってしまうのですが、それがまことにもって奇妙で便利なものばかりだったのです! 慇懃無礼なトルコ人と、ちょっとうっかり者の「わたし」。ちぐはぐな二人の漫才のような掛け合いに、クスリと笑ってしまうこと間違いなしのユーモア小説。
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