ロンドンから電車で40分。ヒッチンという落ちついた街に10才のブルーベルは暮らしています。テーラーで働くお父さん、手芸のとくいなお母さん、笑顔がすてきな弟のアーチーの4人家族。たいそうやかけっこ、ダンスが大好きなブルーベル。家でも外でも、いつもぴょんぴょんと跳びまわっています。
将来友だちになるかもしれない、だれかの毎日。世界36か国で写真家が撮り下ろした、「世界のともだち」シリーズの23巻目。
受賞歴:
こんにちは。ぼくの名前は加瀬健太郎です。40才のカメラマンです。神奈川県の逗子という海のある街に住んでいます。写真を撮ったり、ギターをひいたり、散歩をしたりするのが大好きです。家族のみんなは、ぼくのことを「パパ」とよんでいます。
この本の主人公、ブルーベルの生活は、みんなの目にはどんなふうにうつるでしょうか。どこでも走りまわって、スカートをはいていても気にせずに、びゅんびゅん回転する。カメラをむけるとおもしろいポーズをとるのに、急にはずかしくなって、耳まで真っ赤にする。そんな女の子や男の子は、みんなのまわりにもいるんじゃないでしょうか? 君の友だちにもそんな子がいるかもしれないし、君がそんな子かもしれませんね。
国がかわっても、見た目がちがっても、どこに行っても君のような子がいるし、君の友だちのような子もいる。この本を読んで、世界には、たくさん国があって、そこに自分と気があうような、友だちになれるような子がおるだろうなーとか、時差があるからその子は今ごろねているのかなーとか想像して、楽しんでもらえたら、ぼくはうれしいです。それでいつか、そんな子と本当に出会って、友だちになったりしたら、もっとうれしいです。
ブルーベルは本当に元気な女の子です。本のなかでも、回転したり、おどっていたり、走っていたりする写真をたくさん載せましたが、じつは、そんな写真はまだまだたくさんありました。弟のアーチーといっしょだと、そのアクティブさはますますアップします。ふたりはいつも体をうごかす新しいあそびを考えているそうです。「壁にひっつきながら進んでいくゲーム」「バレーボールとテニスを合体させたスポーツ」など、それぞれのあそびには複雑なルールがあり、いくら説明してもらってもカメラマンの加瀬さんはよくわからなかったそうです(こういう独自のあそび、みなさんも子どものころしていたのではないでしょうか。なつかしいです)。
お父さんの仕事場にあそびにいくページも必見です。お父さんがはたらくのは、サビルロウという、背広の語源になったともいわれる地域にある仕立屋さん。歴史のあるお店で、過去の顧客にはチャーチル元英首相や作家のチャールズ・ディケンズ、昭和天皇、白洲次郎など、おおお、と、うなりたくなるような人物がならびます。これぞブリティッシュ…という雰囲気をぜひおたのしみください!