テールは三日月島にすむ、海の宅配便<ドルフィン・エクスプレス>の配達員。スピードボートであちこちの島や湾に荷物を届けるのが仕事だ。ある日、テールは配達先のヒスイ島で、なぜか受けとりを拒否されてしまう。送り主は、かつてあこがれだった伝説のヨットレーサー、うみねこ島のフルヤ・サンゴロウだった! サンゴロウに荷物を返しにうみねこ島に向かうテール。しかしそのなぞめいた荷物を扱ううち、テールは自分のからだの中にべつの生き物がいるような奇妙な感覚をおぼえ始める。その荷物の中身とは? そして、そのなぞはとけるのだろうか?
人気ロングセラー<黒ねこサンゴロウ>シリーズからつづく海の冒険物語。
岩崎書店版<ドルフィン・エクスプレス>シリーズ(2002~2007年)の新装改訂版。
<もくじ>
1 金色のイルカのマーク、ナンバー4
2 配達できない荷物
3 うみねこ島、海岸通り6番
4 黒いたまご
5 うねる首、波のうろこ
6 おちびのジョナ
7 ネロ・ラプトス
8 「あんたに会うのをずっと待ってたんだ」
受賞歴:
「ドルフィン・エクスプレス」シリーズの新装版を出してくださってありがとうございます。本当に心から嬉しいです。子どもの頃から「黒ねこサンゴロウ」シリーズが大好きです。小学校の図書館で読んだ後、すぐに両親に頼んでBOX入りの10冊セットを買ってもらった思い出があります。 シリーズを通して、ひらがなと漢字のバランス・句読点の量など、読んでいてすごく心地よいです。できるだけ長く世界観に浸れるように、ゆっくり読むのが好きです。挿絵も大好きなのですが、特に、街並みを描いた絵が好きです。こんな素敵な場所が世界のどこかにきっとある、と思いながら読むと、さらに素敵な気持ちになれます。今回の描き下ろしの表紙もすごく好きです。特に、各表紙の水彩がにじんだようなイラストがお気に入りです。最近一人暮らしを始めて、寂しく不安な日々を過ごしていたのですが、「ドルフィン・エクスプレス」を改めて読んで、テールの前に進もうとする気持ちが自分の気持ちと重なって、とても勇気づけられました。「光のカケラ」までばっちり購入したので、続きを読むのが楽しみです。竹下文子先生の作品はサンゴロウとおてつだいねこしか拝読していなかったので、この機会に他の作品も読んでみようと思いました。(30代)