小学校2年生になったレンちゃんの将来の夢は、骨董屋さん。銀杏堂の店主の高田さんのように「ものがたりをうる人」になりたいのです。その高田さんが、買いつけに行っていたエジプトから帰ってきました。そして、長年さがしもとめていた「スフィンクスのつめ」を暗闇のオークションで手に入れた顛末や、ナポレオンも体験したという、ピラミッドの中の「すごいこと」について話してくれました。
そのほか、虹を集めて作るちとせあめ、絵のカナリアがときどき抜け出す茶わん、忘れていた記憶をよびさます杯、星空の音楽をかなでるオルゴール、高田さんが少女のころに天狗からゆずりうけたうちわなど、銀杏堂にはふしぎな物語を秘めた宝物がずらり。レンちゃんは、いつか高田さんといっしょに冒険の旅に出ることを夢見ながら、また新学期を迎えました。うっとりするような美しいイラストがふんだんに入った、目にも嬉しい贅沢な1冊です。
<目次>
プロローグ
1章 高田さんからの小包み
2章 ピラミッド・スノードーム
3章 スフィンクスのつめ(前編)暗闇のオークション
4章 スフィンクスのつめ(後編)ナポレオンの夜ツアー
5章 虹のちとせあめ
6章 カナリアの茶わん
7章 記憶の聞香杯
8章 小鬼のお面
9章 星空オルゴール
10章 天狗のうちわ
11章 天狗の手紙
12章 夏休み(前編)はじめてのおとまり
13章 チシャの真珠
14章 夏休み(後編)レンちゃんのメロディ
エピローグ