シマリスのキリリのもとへ、ある朝、飛んできた青い紙ひこうき。「こんにちは。夕方には、そちらにつきます」と書いてあります。ごちそうを作って待っていると、ずっと旅をしているというミケリスのミークがあらわれました。キリリとミークは、なかよしのともだちになって、一緒に楽しい日々を過ごしますが、やがて、ミークが「もう行かなくちゃ」と━━はなればなれになったふたりをつなぐのは、はるか遠くの空へも、風に運ばれていく紙ひこうきでした。
「会いたい」という想いを伝え合う紙ひこうきは、実は、ミークがキリリに贈った不思議なハサミで切り取られた「あるもの」で作られています━━ふたりの心を映すさまざまな色合いの「あるもの」とは、いったい、なんでしょう? だれかとだれかの気持ちををつなぐたいせつなものを、全ページオールカラーのみずみずしい絵とともにさわやかに描いた物語。
1966年、東京生まれ。国際基督教大学教養学部生物科卒業後、渡米。Art Center College of Design 卒。1992年に帰国後、フリーのイラストレーターとして国内外の絵本、装画、挿絵、広告を多数手がける。主な仕事に、朝日新聞朝刊連載小説『新・地底旅行』挿絵(奥泉光・作)、漫画『チキュウズィン』(自作)、絵本『ミサコの被爆ピアノ』(松谷みよこ・作)、英国ロイヤルメールのクリスマス切手など。ボローニャ国際絵本原画展、アメリカン・イラストレーション年鑑等入選。2005年講談社出版文化賞さしえ賞受賞。