2018年に逝去したかこさとし氏は、240余りの小さなお話の原稿を残し、自ら編んで、さまざまなお話の種類に分類していました。「動物のおはなし」「日本のむかしばなし」「生活のなかのおはなし」「世界のおはなし」です。まだ本にしていないお話や、雑誌に掲載されたり、紙芝居としてかかれたお話を、亡くなる直前まで手を加えたり挿絵を描いて、童話集として編集をしていたのです。どの巻も、文字を読み始めた小さな子から小学生くらいの子どもたちに向けて、どこから読んでも楽しめるおもしろいお話をいっぱい収録しています。
9巻は、「世界のおはなし<その1>」です。かこさんは世界にも目を向けて、たくさんのお話を集めていました。その国のお話を読むことによって、その国のことを知ることもできます。いま自分たちが住んでいるところでの生活とは違った、未知のことにも出会えるでしょう。イヌイットの勇気ある少年コマチンの昔話や、インドのけなげなサルの話、デンマークのおそろしおかしな、おにねこの話、アンデスに伝わる伝説、またかこさんの絵本『サザンちゃんのおともだち』の元になったと思われる1964年に書かれた「ちびくろちゃんとおともだち」というアフリカのお話など、ここには33話を収録。
<目次>
トランプ王国バラ物語
東郭先生
金もち神とびんぼう神
七人の子ども
コマチンのぼうけん
あおい山と沼の物語
二匹のかえる
サルのはし
月と美しい娘
メン鶏と三羽のひよこ
よく当たる占師
岩山と野原の国の物語
九つの枝角の鹿
太陽を射た若者
ペロペロおにねこばなし
トケビと虎
にいぶい虫の次良の話
氷雪の神の怒り
旅の若者と若い女
家を守る三人の神
年越しのたずね旅人
黒い部落と赤い部落
ばあさま虎退治
死者とドゥルダグ神
にしとひがしのクスウェプのうた
五つの太陽とケツァル鳥
ちびくろちゃんとおともだち
ばかのイワン
畠のイワンとアクマたち
あほうのイワン
百姓の子イワン
のろまのイワン
くまの神様 ブドウの神様
受賞歴: