2018年に逝去したかこさとし氏は、240余りの小さなお話の原稿を残し、自ら編んで、さまざまなお話の種類に分類していました。「動物のおはなし」「日本のむかしばなし」「生活のなかのおはなし」「世界のおはなし」です。まだ本にしていないお話や、雑誌に掲載されたり、紙芝居としてかかれたお話を、亡くなる直前まで手を加えたり挿絵を描いて、童話集として編集をしていたのです。どの巻も、文字を読み始めた小さな子から小学生くらいの子どもたちに向けて、どこから読んでも楽しめるおもしろいお話をいっぱい収録しています。
5巻は、2冊あるうちの「日本のむかしばなし<その2>」。かこさんは、地方で講演をしたとき、地元の歴史をよく知る方たちから直接昔話などをうかがうのを、とても楽しみになさっていたそうです。そしてたくさんのお話を集めて、創作昔話を書いていました。昔話には思いをもって語り継がれてきたことがあり、人が生きていくうえで大切にしたい智恵も多くあります。有名な昔話「舌きりスズメ」の3つのバージョンや、子どもたちが大好きなおならを自慢する「屁放の十どん」、かこさんが学生時代のセツルメント活動で大型紙芝居を作って上演していた「くりひこうりひめ」、故郷越前市武生のお話「きつねの川わたり」など25話を収録。
<目次>
はじめに
長者やしきのおとろし話
絵姿女房
なしなし なしばなし
じっさとばっさの年の暮
腰越江島縁起伝
みどり沼のおとろし話
かきの木 一本 かき一つ
からさわじぞう
半日村の山犬
ひょうたんすずめ
竹やぶすずめ
つづらすずめ
くりむかし かきむかし
節分の夜
くりひこ うりひめ
こてんぐ小次郎
伊賀の黒丸のこと
ももの こたろう
屁放の十どん
子ども狂言・はるのおどり はなのまい
ずくなしじん太
赤銅源作
三人のさささ忍者
きつねの川わたり
こざくら・こさぶろう
解説
各作品について
受賞歴: