icon_newWindow_01 icon_arrow_01_r icon_arrow_01_l icon_arrow_02_b icon_pageTop_01 icon_close_01 icon_search_01 icon_twitter_01 icon_facebook_01 icon_facebook_01 icon_youtube_01 icon_line_01 icon_arrow_down icon_link icon_error icon_download

月〜

※単月で探したい場合は、終わりも同じ年月を入力してください。

-

-

書籍形態

きいろいのは ちょうちょ

竹田津実 森の獣医さんの動物日記

写真記野生動物診療所

著: 竹田津 実

受賞歴:

  • 全国学校図書館協議会・選定図書(2004)
  • 社会保障審議会推薦文化財(2004)
  • 日本図書館協会選定図書(2004)
対象年齢 小学校中学年から
ジャンル 読み物 > 伝記・ノンフィクション
サイズ(判型) 21cm×16cm
ページ数 126
ISBN 978-4-03-507180-8
NDC 916
発売日 2004年1月

定価:本体価格 1,500円+税

【偕成社在庫:なし】

全国の書店、またはネット書店などでご購入ください。

内容紹介

トビを治療したことから、傷ついた野生動物の治療を始めた著者。北海道での30年の活動と、動物たちとのふれあいを写真でつづる。

著者紹介

竹田津 実

1937年大分県生まれ。岐阜大学農学部獣医学科卒業。北海道東部の小清水町農業共済組合・家畜診療所に勤務し、1972年より傷ついた野生動物の保護・治療・リハビリ作業を始める。1991年退職。1966年以来、キタキツネの生態調査を続け、多数の関連著作がある。2004年より上川郡東川町在住。獣医として、野生動物と関わり続けている。主な作品に『子ぎつねヘレンがのこしたもの』『家族になったスズメのチュン』「どうぶつさいばん」シリーズ、「北国からの動物記」シリーズ、『オホーツクの十二か月』『キタキツネの十二か月』、写真集に『えぞ王国 (写真北海道動物記)』、『竹田津実写真集 アフリカ』などがある。

この著者の書籍一覧を見る

著者より

★刊行時に寄せられたメッセージです

越冬組の入院患者が減って、今年は静かな正月を迎えられそうだ。二階の仕事部屋の窓をおおったイタヤカエデの枝が丸裸となって、すみずみに冬の陽光を目いっぱいなげ込んでいる。
ぼんやりと窓の外に目を向けると、カラ類のひと群れがその枝にやってきては、西に続くニセアカシアの林へと移っていった。最後尾でぐずぐずしているシマエナガの中に、エゾアカゲラが参加した。窓のすぐそばの枝に止まり、私の顔をのぞき込んだ。知らん顔をしていると、あの鋭いくちばしで、窓ガラスをコンコンとたたいた。コンコン、ゴンゴン、カンカン、キンキンと、ガラスの音はだんだん悲鳴に近くなった。
するとコンコン、コンコンと階下の部屋で返事があり、それにパンパンともう一種の音が加わった。
入院中のオオアカゲラ、アカゲラの返事だ。コンコン、カンカン、パンパン、キンキンとドラム合戦は続いた。5分後、目の前の鳥影がすくと消えた。階下のドラマーもその手を休めた。部屋には弱い冬の陽がひっそりと残っていた。
ここ一週間、毎日くり返される退院患者と越冬組入院患者の会話が、ほんの少し長くなっているように感ずる。出版された『写真記 野生動物診療所』についての感想をのべ合っているのかも知れない。私の写真が少ない。変な顔を撮られている。○○ちゃんの写真がない……などと言っているのであろうか。
そう言えば昨夜、イタヤカエデの枝でエゾモモンガを見た。今朝の玄関先の雪の上の足跡はキタキツネだ。みんな何らかの感想を伝えにやってきたのかも知れないと妻は言う。
わたしは何かおいしい物をよこせと言っているにちがいないと感じている。(竹田津実)

写真記野生動物診療所
写真記野生動物診療所