なんでもあつめるのがすきな
ミッチがある日、ひろったのは
クジラのかたちをした 木のかけら。
それが、ふしぎな夏の はじまりだった。
ミッチは、花の種やきれいな石ころなど、道ばたでひろったものをコレクションしている男の子。いまはセミのぬけがらを集めています。
ある日ミッチは、クジラのかたちをした木のかけらをひろって、家に持ちかえりますが、うっかり麦茶をかけてしまいます。すると、それはちいさなちいさなクジラになったのです!
セミのぬけがらを食べて、「ミーンミン」と鳴くので、<セミクジラ>と名付け、ミッチはお父さんといっしょにそのクジラを飼いはじめます。でも、クジラはだんだん、元気が無くなってしまい……。
考えたミッチは、セミクジラのために、あるものを探すことにします。
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たからばこの なかには、ぼくが 道ばたでひろった、いろんなものが はいっている。
宝石みたいに キラキラしたビーズ、しまもようの 石ころ、
ドクロマークの 絵がかいてある ビンのふたに、みかづきがたの 花のたね、
ほかにも たくさんたくさん。
どれもみんな たいせつな、ぼくの 道ばたコレクションだ! (本文より)
1983年、群馬県生まれ。『サナギの見る夢』で講談社児童文学新人賞佳作、『ミステリアス・セブンス―封印の七不思議』でジュニア冒険小説大賞を受賞。作品に『カエルの歌姫』(日本児童文学者協会新人賞)『ラビットヒーロー』などがある。
ちいさな頃、きれいな石ころ、どんぐり、おしろい花のたねなどを集め、また捕まえたカマキリやトカゲを飼ったりしてました。どこで集められるかな、この生き物はなにを食べるんだろうと、いろいろ考えるのも楽しかったものです。
このおはなしには、そのときのドキドキワクワクする感じが、ぎゅっと詰まっています。さわやかでかわいいコマツシンヤさんの絵もぴったりの、夏のおはなし、ぜひご覧ください。