『ファーブル昆虫記』は、出版されて100年以上たった今でも、世界中の虫好きの人たちから愛されている名著です。子どもの頃からこの本に魅せられ、ファーブルの生家や、実際に虫を観察した土地までたずねた2人の著者が、全10巻の中から選んだ名場面を、迫力のある切り絵と親しみやすい文章で紹介します。巻末では、登場する昆虫とファーブルが愛した楽園「アルマス」を解説。
「梨玉のひみつ・スカラベ」「地下室の働き者・モンシデムシ」「神にいのる虫・カマキリ」「結婚のダンス・ラングドックサソリ」「持ち運べる巣・ミノムシ」「夏のオーケストラ・セミ」「ヴァントゥー山の頂上・アポロチョウ」「人間と虫のちがい・オオヒョウタンゴミムシ」など16の名場面を紹介した絶好の入門書。
受賞歴:
昆虫って美しいし、かっこいいし、ほんとうにすごい生きものだと思う。小学生のときは、動くものを見ると無我夢中で追いかけていた。そんなときに出会ったのが『ファーブル昆虫記』。本を読んで、昆虫の生きた姿をこんなにも深く観察できるのかと驚いた。でも、いちばんうれしかったのは、ファーブルが、身近な昆虫を見ていたことだ。昆虫のことを知るには、いつも出会える友だちにならないといけないんだね。
写真家・切り絵作家 今森光彦