日本の特別天然記念物、ライチョウ。高山帯にくらし、冬はまっ白な姿に変わることから、日本では古来より「神の鳥」として人々に敬われてきました。写真家の戸塚学さんは、はじめて出会ったときから、そのとりことなり、冬も春も夏も秋も、何十回と生息地の一つ、北アルプスの立山に通って、ライチョウの写真を撮りつづけています。そのライチョウが今、絶滅の危機にさらされ、保護活動もはじまっているといいます。なぜ? 戸塚学さんは居ても立ってもいられず、北岳の現場に向かいました……。ライチョウの1年のくらしと、ライチョウに迫る危機、そして保護活動の内容もわかりやすく紹介しながら、ライチョウの未来を考えていく写真絵本。
受賞歴:
ライチョウは、動物園で卵をふ化させ、ひなを自然にもどすという保護活動がマスコミでも取りあげられて、有名になりました。ふ化の試みは複数の動物園でもおこなわれ、それが新聞やニュースで報じられました。
この本では、美しい写真で、ライチョウの1年のくらしや、その保護活動をわかりやすく紹介します。自然の中での保護活動はその責任者の信州大学名誉教授・中村浩志先生の協力を得て取材させていただくともに、動物園での保護活動は当初の責任者の元上野動物園園長・小宮輝之さんに貴重な写真のご提供・全編の監修をしていただきました。本文には、新聞などにも掲載されて話題となった、中村浩志先生ご提供の、ニホンザルがライチョウのひなをくわえている写真も見開きで掲載されています。
ライチョウに迫る危機のおもな原因は、ほかの野生動物と同じ「地球温暖化」ですが、同じ原因でも、それぞれの動物自体の特性やすんでいる環境などによって、それぞれちがった経緯をたどり、その動物に危機として迫ってきます。ライチョウは、そのわかりやすい例で、保護活動を見ることで、理解も深まります。SDGs関連の本としてもお薦めです。
6歳の息子は鳥が好きです。私達親が好きなライチョウの話をしていたところ、この本に出会いました。この本を読んで、SDGs、環境問題を自分事としてとらえてくれて「電気のつけっぱなしはダメだよ」「ライチョウさんが住むところがなくなっちゃうよ」とよく言っています。とても刺激のある本でした。今後もご活躍を応援しています!(6歳・お母さまより)