その日は朝から雨。お母さんは急ぎの用ができてしまい、出かけるしたくをしています。そこへピンポーンとベルが鳴り、なおちゃんが玄関をあけてみると、「どうも、かっぱです」と、緑色のおかしな生き物が立っているではありませんか! お母さんは「かっぱさんとお留守番しててね。きっとすごーく楽しいから」といって出かけてしまいます。こわくてテーブルの下に隠れたなおちゃんに、かっぱが声をかけました。「なおちゃん、今日はピクニックびよりですよ。」「雨なのに?」「雨だから。」
雨音に耳をすましたり、雨がいっぱい降らないと辿りつけない秘密の場所で遊んだり、雨に洗われた景色を見ながらおやつを食べたり……かっぱが案内する雨の日のピクニックは、すてきなことがいっぱい! 最後には「雨の日にみんなで雨やどり。これ、最高のぜいたくです」というかっぱの言葉が、しっとりと味わい深く心に残ります。
すみずみまで精密で、かつスケール感のあるファンタジックな絵が目にも楽しい、作者渾身のデビュー作です。
受賞歴:
このお話の中でかっぱは、親が急用で出かけなければならないときに子供の面倒を見にきてくれる、なんともありがたい存在。「ああ、うちの町にも、こんなかっぱたちがいたらなあ……。」子の立場からも親の立場からもうらやましいこのユートピアを、どうぞじっくりしっとり味わってみてください!
とてもおもしろくて大好き♡こういう不思議な世界&日本らしさの絵本がもっとふえると子どもも大人も日本らしさ文化、日本のすばらしさと共にえほんのおもしろいワールドをたのしめて良いと思いました!! 世界にも広めたい!!(30代)
幼稚園のお休みの土曜日の夜のねる前におたのしみの本があるよと、読んでみました。きょうみしんしんでかっぱの絵をみていました。毎晩読んであげたいと思います。(3歳・おばあさまより)
かっぱ会いたさに「おるすばんしたい」と子どもが言い出しました。最初は図書館で借りたのですが、毎日何回も読みたがり、延長した後返却したら何日も「あめかっぱは?」と探しまわり、ついに購入することにしました。今も毎日読んでいます。大きな木について、遊ぶところが大好きで、「ここはこうやって遊ぶの」とよく話しています。すてきなお話をありがとうございます!(2歳・お母さまより)
とーっても素敵だったので、地域の子ども文庫、友人(本好き)、妹(かっぱ好き)、保育園にプレゼントしました。保育園では5歳児クラスに託したのですが、子ども達に大人気!! 1冊に4〜5人寄って何やらしゃべり合って楽しそう。絵本のストーリーからはなれてどんどん自分の世界でお話を創っていってしまう。子ども達をみているとこの本と子どものすばらしさを感じています。(60代)
仕事が辛く、心がカチコチに硬くなっていたとき、ふと、書店でこの本が目に入りました。リアルな絵のタッチに反して、現実離れした物語になぜか心がふわっと軽くなり揺れました。しっとりと湿気を帯びた池や木々に、硬くなっていた私の心はゆるみ、息子のためにではなく自分のためにこの本を購入していました。(40代)