「将来はりっぱな図鑑になりなさい」と言われている本の子どものほんちゃん。いったいどんな本になるのかな? 本が主人公の絵本!
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
子どものころ、「本の虫」というわけではなかったけれど本が好きでした。
お気に入りの本は大学進学で上京する際も、結婚しても、引っ越ししても常に一緒で、今では娘が読んだりしています。
本というのは、かつて読んだことのある本でも、読み返してみるとその時の状況や成長によって感じ方が変わったりします。大人になって読み直して「へぇ~、こういうことを言っていたのか」と改めて気づいたり。でも、やっぱり子どもの時に出会った本は、そのころ出会えてよかったと思っています。
これまで出会ってきた本は、私に様々なものを与えてくれました。それは本の内容から受ける感動だったり、新しいことばや知識、心が震えるような一文だったり、はたまた挿絵やデザインのすばらしさだったり。それらの様々な小さなかけらが私の一部を形作っていると言っても過言ではありません。それはまるで人との出会いにも似ています。
さて、この本の主人公「ほんちゃん」もたくさんの本と出会います。そして、その本達から出会いのすばらしさを聞かされ、やがて「本のいいところ」を知ることになります。今、「ほんちゃん」は、どきどきわくわくしながら出会いを待っているに違いありません。「ほんちゃん」だけではなく、あらゆる本は本となったその日から、出会いを待ちこがれています。どうか、皆さん、本屋で、図書館、学校の図書室で、古本屋で、病院の待合室で、友達の本棚で、たくさんのいい出会いをしてください。そして、願わくば『ほんちゃん』とも、友達になってもらえればと思います。 (スギヤマカナヨ)