





本のなかの文字たちが、夜の間どうしているかしってる? 本から飛び出した文字たちの冒険を、笑いながら楽しめる物語です。
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
こんな夢をよく見ました。それは、本の一枚一枚が天空から何枚も舞い下りてきて、そこから飛び出した文字が私の顔中にいっぱい、バサバサと落ちてくるのです。驚いて「うわっ」と飛び起き、そのたびに夢だったと知って胸をなでおろしました。それはきまって、自分が編集した本ができてくる前で、そんな夢を見ては新刊本の発行をまだかまだかと、ドキドキしながら待っていたものです。
活字イコール活きている文字、それがたびたび、夢の中で紙から飛び出してきて、私を大いに困らせるのでした。それでも私は、このお騒がせな文字が好きなのです。こんな文字たちが、みんなが寝静まった夜中に動き回ったら、いったいどうなるのでしょう。文字たちがゆかいに遊んだり、言い争いをしたり、仲直りをしたりするお話「い、ち、も、く、さ、ん」は、こうして生まれました。
この作品で賞をいただけることになり、小冊子になりました。あれから数年の月日が経ちましたが、どうやら私の頭の中の文字たちは、このままおとなしく眠ってはいられなくなってしまったようです。きかんぼうで、おっちょこちょい、仲良く遊んでいたかと思うと突然ケンカを始める、そのくせ思いやりがあって、何か問題が起こると、その解決に向けてみんなでいっしょうけんめいがんばります。
こんな元気な文字たちのお話が三編まとまって、ステキな絵に助けていただき、このたび『ひらがな だいぼうけん』という本になりました。「い、ち、も、く、さ、ん」には、新たな言い争いのネタが加わって、またまた大騒ぎ! 「たべられたもじ」「へのへのもへじ」の二編も、文字たちがドタバタとひっきりなしに動き回る、にぎやかなお話です。みなさんに楽しんでいただけたら……と願っています。(宮下すずか)
4歳の息子が宮下すずかさんの絵本をとても気に入っています。ひらがな〜もカタカナ〜も楽しくて、他にも「すうじ だいぼうけん」や「ABC だいぼうけん」、「漢字 だいぼうけん」が読みたい!と言っています。「すうじ〜」があるのに感激しましたので購入します。続編を息子ともども楽しみにしています。(4歳・お母さまより)