ともだちがほしい人にだけきく素敵なおまじない! 五七五のリズムにのってページを繰れば、きっとともだちができるはずです。
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
内田麟太郎さんとのコンビ“おれたち ともだち!”シリーズも8巻目です。このシリーズ、巻を重ねるうちにフツフツと、私の頭の中には主人公たちのウラ話が湧きだし、漂いはじめました。それらは瑣末なエピソードで、1冊の絵本の中にドーンとそびえる物語の樹の皮に勝手に生えてきてしまった小さなキノコたちみたいなもので、基本的には絵本の中に描かなくてもよい・・・・・・むしろ描きすぎてしまうと肝心の樹がなえてしまう危険性のある類のものです。でも反面、こういうもの達が育ち出すことで物語の世界の密度は濃くなり、確かなものになっていきます。そして主人公たちが生き生きと動き出すのです。時にはそうした主人公たちに導かれて、作者の私のほうが思わぬユニークな絵を描かせてもらったりします。ホントです。
えっ? ウラ話を聞きたいのですか? えーとですね・・・・・・たとえば、キツネがデビューにあたり「ともだちや」コスチュームのデザイン画を256枚も描いていたとか、オオカミの好物は実は肉ではなくキツネの作るいなりずしだったとか、ヘビはパリまで行ったが道に迷ってルーヴル美術館までたどり着けなかったとか・・・・・・。そういうことを「あーもっと描き込みたいな」「誰かに見せて笑わせたいな」と思いつつ、しかし物語の樹を守るために、私は自分を抑え(ある程度)、筆のすべりをコントロールして(ある程度)、シリーズ7巻までまじめに描いてきました。
そんな自粛の栓をフニャリとゆるめてくれたのが、8巻目用の内田さんからのテキストです。とぼけた味の川柳が112句もありました。だけど絵本のページ数には制限があります。泣く泣く41句にしぼり、絵本にまとめたのがこの「ともだちおまじない」なのです。 おまじないを唱えつつ、主人公たちのウラ話に笑ってください。そして読者の皆さんの中に“おれたち ともだち!”の世界が豊かに育っていってくれたら、私はうれしいです。(降矢なな)
おもしろかった。特にP35 さみしくて おならをしたら しぼみゆく 絵も本物がいたら会ってみたい。(4歳・ご家族より)