

花を元気に育てるため、「花の学校」に通って学ぶ花のこどもたち。花組、はっぱ組、ねっこ組はどんな勉強をするのでしょうか。
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
子どもの頃、おなじチューリップでも、きれいに伸びた葉を持つものもあれば、ちぢこまった葉を持つものもあって、おなじところに育っているのにどうしてこんなにちがうのか、ふしぎでなりませんでした。
おとなになってからもそれがふしぎで、やはりそこには、水や光や栄養といったもの以外に、花が育つのを助ける、目に見えない存在がいるからだと信じるようになりました。子どもたちは、そんなこと最初から知っているよというかもしれませんね。目に見えないちいさな子どもたちが力を合わせて、花を育てている……、そしてその子たちが花のお世話を学ぶ「花の学校」がどこかにあって、みんなでいっしょに授業を受けている……そんな光景がいつからか胸に浮かぶようになり、このおはなしがうまれました。絵を描きはじめると、花の子どもたちが次から次へと生まれてきて、わたしはただ、彼らの声に耳を澄ませばいいだけでした。
植物が大好きなので、うちの庭もさまざまな草花でいっぱいです。チューリップ、ローズマリー、カモミールにオールドローズ……、春夏秋冬、それぞれの姿で楽しませてくれるこの草花たちに、どれだけ力をもらったかしれません。そんな花たち、そして、すべてのものを育ててくれているなにかに、感謝しています。みなさんに、目に見えない花の学校の子どもたちとともだちになってもらえたら、とてもうれしく思います。(仁科幸子)