小さいけれどおしゃまでおしゃれなおんなのこ、すみれちゃんに妹ができました。姉妹の毎日をユーモラスに描く傑作連作童話。
1957年神奈川県に生まれる。フェリス女学院大学文学部卒業。1986年『五月のはじめ、日曜日の朝』で新美南吉児童文学賞受賞。2011年『皿と紙ひこうき』で日本児童文学者協会賞を受賞。作品に『パパはすてきな男のおばさん』 『卵と小麦粉とそれからマドレーヌ』『レモンドロップス』「わたしはすみれ」シリーズ、訳書に『ジャックのあたらしいヨット』、絵本に『あそびましょ』(絵こみねゆら)等多数。
1947年新潟県に生まれる。新潟大学教育学部中等美術科卒業。出版社勤務を経てイラストレーターとなる。主な絵本作品に『ごんぎつね』『手ぶくろ を買いに』『ミシシッピ』『雲の信号』『雲へ』『おかあさんの目』『かぜのひのころわん』など多数。 2003年に山梨県清里に「黒井健絵本ハウス」を開設。
★刊行時に寄せられたメッセージです
そのころ住んでいた家のうしろどなりの家に、ある春の日、ちいさな女の子のいる一家が引っ越してきました。その日からです。女の子の家の窓もやはり開け放たれているからでしょう、お天気のいい日には、女の子のおかあさんを呼ぶ元気な声やたのしそうな笑い声、とってもごきげんな歌声なんかが、開け放したわたしの部屋の窓からはいってくるようになりました。時には、泣き声やごきげんななめの声も聞こえてきました。
わたしはその子をひそかにすみれちゃんと呼んでいました。なんといっても、その子はうららかな春の日にやってきたわけですから。と、いっても、わたしはその子を直接知っているわけではありません。わたしにとっては声だけの女の子です。
声だけしか知らないすみれちゃんは、わたしのなかで、日に日にはっきりとした輪郭をもつようになり、いつのまにか、いろいろなことを話してくれるようになりました。すみれちゃんのパパやママのこと、その日にあったできごとなんかを、すみれちゃんは、それはじょうずに話してくれたのです。
もうじきおねえさんになるのだと打ち明けてくれたとき、すみれちゃんはうれしそうなのに、ちょっとだけかなしそうでした。
「ねえ、あなたのこと、お話に書いてもいい?」と、わたしは聞きました。
「ええ、いいわよ」と、すみれちゃんは言いました。
それで、このお話がうまれたのです。(石井睦美)
わたしは本が大すきです。すみれちゃんのえ本は、とても、かわいらしいえでおはなしのないようもとても、わかりやすく、あたらしくおねえちゃんになるきもちがすごくわかって、おねえちゃんらしかったです。シリーズもいろいろあるのでもっとよみたいです。(7歳)