icon_newWindow_01 icon_arrow_01_r icon_arrow_01_l icon_arrow_02_b icon_pageTop_01 icon_close_01 icon_search_01 icon_twitter_01 icon_facebook_01 icon_facebook_01 icon_youtube_01 icon_line_01 icon_arrow_down icon_link icon_error icon_download

月〜

※単月で探したい場合は、終わりも同じ年月を入力してください。

-

-

書籍形態

きいろいのは ちょうちょ

にいさん

にいさん

画像を拡大する

にいさん

受賞歴:

  • 日本図書館協会選定図書(2008)
  • 全国学校図書館協議会・選定図書(2008)
対象年齢 小学校高学年から
ジャンル 絵本 > 日本の絵本
サイズ(判型) 29cm×24cm
ページ数 40
ISBN 978-4-03-963890-8
NDC 726
発売日 2008年3月

定価:本体価格 1,500円+税

【偕成社在庫:なし】

全国の書店、またはネット書店などでご購入ください。

紹介記事へ(Kaisei web)

内容紹介

ゴッホとテオ、ともに芸術に生涯を捧げ、つよい絆でむすばれた兄と弟。二人の足跡をたどる旅を続けてきた著者が描く感動の絵本。

著者紹介

伊勢英子(いせひでこ)

画家、絵本作家。1949年に札幌市で生まれ、13歳まで北海道で育つ。東京藝術大学卒業。『マキちゃんのえにっき』で野間児童文芸新人賞、『水仙月の四日』で産経児童出版文化賞美術賞、『ルリユールおじさん』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。 おもな絵本に『1000の風1000のチェロ』『絵描き』『にいさん』『大きな木のような人』『あの路』『まつり』『チェロの木』『最初の質問』『幼い子は微笑む』『けんちゃんのもみの木』『たぬき』などがあり、『カザルスへの旅』『グレイがまってるから』『ふたりのゴッホ』『七つめの絵の具』『こぶしのなかの宇宙』『見えない蝶をさがして』などの単行本・エッセイも多くの読者から支持されている。

この著者の書籍一覧を見る

著者より

★刊行時に寄せられたメッセージです

未だ終わりのみえない旅の途上ですが、今日はようやく完成した絵本「にいさん Mon Frère」をお届けできる喜びをかみしめています。
ゴッホがただひとりの弟へ宛てた700通近い書簡集を羅針盤に、オランダ、ベルギー、パリ、オーヴェール、アルル、サン・レミ──と、ゴッホの心の軌跡を追う旅は、迷い道と謎だらけの果てしない深い森に踏み入るような旅でした。
森に隠されたモチーフの連鎖に導かれるたびに、必死に愚直にスケッチ帖の手を動かしつづけました。
逆光に神々しく息づく立ち枯れのひまわりの群生、黄金と青の麦畑、ちぢれて飛ぶ雲の波、明滅するオリーブの木々、絡みあった木の根、星月夜の合唱が、共鳴しあい、あふれる色彩のシンフォニーとなって、私を立ち止まらせ、さらに森の深みへと向かわせました。
そして、森の出口の光の先に私が見いだしたのは〈弟テオ〉というゴッホの愛の存在証明でした。ゴッホの森のモチーフはみな、兄弟の生地、オランダのいくつものなつかしい風景につながっていたのです。
弟が聖なる遺物のように保管していた兄の手紙。そこで語られる風景やモチーフへの言及、さらにその行間には、悲運のときにふたりがきまって立ちかえる子ども時代の情景と自然への憧憬があふれています。麦畑やヒースの野、運河、その上を季節とともに移ろっていく北の空の光。豊かな自然のなかで、兄と弟は愛を育み、死がふたりを分けても芸術に生きることを選んだのです。弟に迷惑をかけまいと、明晰な頭脳のまま入所したサン・レミの精神病院の絶望の底で、画家のパレットを覆いつくしたのは、北の光と色でした。
ゴッホの死は謎めいていて、どんな評伝も描ききれないでしょう。ですが、「どんなことがあろうとぼくはまた立ちあがろう。大きな落胆のなかですててしまった鉛筆をもう一度取り上げよう。またデッサンを始めよう」(書簡133)
そして、兄の死後、テオが母に宛てた手紙の中のことば、「にいさんは、ぼくのすべて、ぼくだけのにいさんだったのです!」
ここにすべての答えがあるように思われてなりません。
この絵本は、私のゴッホとテオへのオマージュです。(いせひでこ)

関連記事

にいさん
にいさん