おだんごが
ころがる先にいたのは?
ころがるおだんごをおいかけて
鬼の家にきてしまった女の子。
おだんごを気にいった鬼たちに
もっと、たくさん
つくるようにいわれますが……!
宝をもちかえる女の子の昔話が
刺繍と布でえがかれた絵本になりました。
:::::::::::::::::::::::::
おひるになったので、
むすめは、おだんごを たべようとしました。
すると、おだんごが、
ころころころころ、ころがっていきました。
むすめは、もうひとつの おだんごを
たべようとしました。
ところが、
そのだんごも、また、
ころころころころ、ころがっていきました。
あとには もう、ひとつしか
おだんごは のこっていません。
むすめは、しっかりにぎって
たべようとしましたが、
さいごのおだんごも、また、
ころころころころ、ころがっていきました。
むすめは おだんごを おいかけて、
はしりだしました。
(本文より)
:::::::::::::::::::::::::
女の子の昔話えほんシリーズについて
あなたが知っている昔話の主人公は、男性が多いのではないでしょうか。女性が主人公の場合も、ひかえめでおとなしい女性ではないでしょうか。絵本になるのはそういう昔話が多いのですが、語りつたえられてきた昔話はもっと豊かで、へこたれずに自分なりの幸せをつかむ、いろんな女性たちが登場します。これまで知られてこなかった、そんな主人公の昔話を絵本にして、これからの世界を生きるこどもたちに贈ります。
受賞歴:
2012年に、日本につたわる女の子と女性が主人公の昔話を集めた『女の子の昔話』を刊行しました。そのときに、読んだ方から「絵本にはしないの? もっと小さな子どもたちもこの昔話を読めたらいいのに」といわれ、立ち上げたのがこの絵本シリーズです。
「おむすびころりん」と似たタイプのおはなしですが、このおはなしでは、女の子がおだんごをおいかけて、鬼の家についてしまいます。
刺繍と布絵でえがかれた鬼はなんともユーモラス、ぜひご覧下さい。