約130年ぶりに江戸の町をおとずれた白狐魔丸は、大泥棒・鼠小僧次郎吉と出会う。盗んだ小判を町屋の屋根からばらまくことで知られた鼠小僧だったが、それはにせ者のしわざだった。にせ者のことが気にくわない吉野の狐・雅姫に命じられ、白狐魔丸はその正体を追うが……。
為一と名乗る画家・葛飾北斎との旅に同行したのち、白狐魔丸は仙人のすすめで大坂へと向かう。そこで出会ったのは、白い狐の面をつけた盗賊と、それを追う与力・大塩格之助。格之助の父・大塩平八郎は、凶作が続き、飢饉に苦しむ民を救おうとしない幕府や奉行所に怒り、反乱を企てていた――。
時代をこえて生きる狐・白狐魔丸の目をとおして、人間社会の不条理を見つめる。鼠小僧や葛飾北斎、大塩平八郎など、虹のように多様であざやかな登場人物たちに彩られる、大好評・歴史ファンタジー第7弾。
<目次>
1 体憑依
2 芝居小屋
3 先祖返り
4 ぞうり
5 盗賊
6 軍鶏鍋
7 鼠小僧次郎吉
8 義賊
9 榊原忠之
10 老人
11 狐と大波
12 陰陽
13 追跡
14 雨あがり
15 旅
16 飛行
17 いずまい
18 子どもふたり
19 再会
20 思い人
21 狐小僧
22 猪の肉
23 洗心洞
24 本末転倒
25 半日たらずの乱
26 焼け跡
27 自害
28 ふたり小吉
いつものことですが、おもしろかったです。斉藤先生はたまに他の本の内容をぶっこんできたり、よくしらべて考えて書いてくださっているので読みがいがあります。他の歴史の見方ができるので好きです。ひさしぶりに「白狐魔記」シリーズが出たのでうれしかったです。学校の司書の先生にもしらせます!(14歳)
「白狐魔記」シリーズは歴史の苦手な私でもとても面白く、あっという間に読んでしまいます。このシリーズがずっと続くといいな、と思います。誠実な狐にとても好感が持てます。(14歳・お母さまより)
小さい頃から読んでいたシリーズです。源平の風から元禄の雪まで集めましたが進学の為に実家を離れ、なかなか読み返すこともできなくなってしまいました。最近になって、急に読みたい気持ちが大きくなり、探してみたらなんと新刊が!迷わず購入に至りました。ずっと楽しませていただいて本当に有難うございます。(20代)
小学生の頃から「白狐魔記」シリーズが大好きで新刊をいつも楽しみにしていました。狐からみる人間、歴史に新たな発見をもらっています。雅姫の想いが叶わなかったり、子供を抱く狐の場面があったり今回も胸が切なくなったり、嬉しくなったり、とても楽しませて頂きました。いつか狐が私たちの生きている時代を見たらどう思うだろう…。そう思いながら、精一杯生きたいと思っています。今後もシリーズが続くことを楽しみにしています。(30代・女性)