ジークメーアは、ザクセン公国の北のはずれ、北海に面する洞窟の中で母親とくらしている。泳ぎがうまく、夜でももののかたちがはっきりとわかり、半弓の技にたけていた。
ある夜、村をおそった海賊とたたかう百人隊長・ランスを助けたことから、ジークメーアの運命は大きく動きはじめる。母の言葉に導かれ、12歳になる年、ジークメーアはランスとともに旅に出る。旅の目的は、邪悪な魔神をあやつり、ヨーロッパを征服しようとしている隣国・フランク王国の企みを阻むこと。そのためにはまず、古くから伝わる『マーリンの書』に書かれた「小箱の銀の狼」を手に入れる必要があるという……。
中世ヨーロッパを舞台に、さまざまな敵と対峙しながらたくましく成長する少年のすがたを描く。斉藤洋の冒険ファンタジー、新シリーズ第1弾。
<目次>
プロローグ
1 イグナークの店
2 知らせ
3 海賊襲来
4 新しい家
5 迎え
6 マーリンの書
7 剣と弓の名
8 宿
9 襲撃
10 ザクセン公
11 伝説
12 舳の飾り
13 挟みうち
14 男たち
15 探索
16 湖上の夜話
17 魔神
エピローグ
わくわく、どきどきの旅がはじまる。ジークメーアという名の少年の旅と冒険。斎藤洋の物語にハズレなし。今後の展開がたのしみ。ジークメーアは試練をのりこえ、そして母のもとに帰れるのか、少年は青年となり共に歩む人、愛する人を見つけられるのかああ、はやくはやくはやく続きが読みたくて読みたくて読みたくてとまらない。70の活字中毒婆が生きているうちに完成を切にのぞむ。(70代)