わたしは、ロボットだった。
人間じゃなくて、ロボットだった。
そのことを、わたしはすっかり忘れて生きてきた。
きっと、忘れたまま生活するようにプログラミングされていたんだと思う。
だけど、思い出してしまった。
本当に突然、ふっと。(本文より)
自分がロボットであると認識し、食べることをやめた少女と
彼女を理解しようとする少年
ゆらぎ、見失いそうになる自分の形を
見つけるための物語
受賞歴:
主人公の幽(かそ)けし心が、少女の気持ちが叫ぶほどの筆力で迫ってきました。男の子もとても良くて距離の取り方「それどころじゃない同士」に気づくところも秀逸です。食べられないことの描き方、当人の気持ちと状況はこうなのだなーとそれでいて、すとんと希望もうけいれる、いや受け入れようというのではないですね。快方へ向かうところもよかったです。(50代)
学校司書をしています。今年異動になり、新しい職場での初めての注文で、前任校で人気だったこの本をえらびました。つらい思いを抱えている生徒によりそうお話で、生徒の口コミで広がった1冊です。この学校でも広がれば……と祈るような気持ちでならべました。保健室の先生にもいずれおすすめしようと思っています。石川先生のこれからのますますの活躍を期待しています!(読者の方より)