プログラミングのイベント〈ハッカソン〉に、ソフィアたちプログラミング・クラブのメンバーも初参加することになった。テーマはロボット。評価ポイントは、迷路をはやく、かつ独創的な方法で脱出させること。しっかり者のソフィアは、とりわけ張り切っていた。家では4人姉妹の長女として頼りにされ、アメフト部のマネージャーの仕事もそつなくこなす。競争は大好きだし、問題解決力には自信がある。それに、気になる男子サミーも別のグループで参加するのだ。
ところがパパから、当日は両親とも仕事が入ってしまったので、家で妹たちの面倒をみてほしいと頼まれる。「でもわたしなら、なにか解決法が見つけられるはず……」。他のメンバーに言い出せないまま、悩みを抱え込んでしまったソフィアは、ついににっちもさっちもいかなくなり——。
物語を楽しみながらプログラミングを学ぶシリーズの第2弾。友だちとの関係や、ハッカソンというイベントのようすを通して、「問題が起きたとき、どのように対処すべきか」「真のチームワークとは?」など、プログラミングに重要なポイントを伝えます。
この巻の主人公ソフィアは、典型的な長女タイプ。しっかり者で責任感が強く、みんなに頼りにされますが、ぎゃくに人を頼るのが苦手です。理不尽なことをパパにいわれたときも、「おちつけ、自分にそういい、深呼吸して息をととのえた。どなりつけても、人を思いどおりに動かすことはできない」などと考える優等生ぶりで、もどかしくなるほど。友だちに迷惑がかかるからと悩みをひとりで抱え込み、よけいに事態がややこしくなってしまうなど、あるある感が満載です。
さて、そんなソフィアと仲間たちが参加するのが、今回の話の軸になるハッカソンというイベント。基本的には、課題が出て、チームごとにアイデアを練り、作業を進め、成果を競うというプログラミングのコンテストなのですが、面白いのは、困ったときにはチームを超えて助け合っていいということです。お話の中では、会場内に掲示板があり、困ったことを付箋で貼っておくと、他チームの人が助言をくれる、というルールになっていました。そのようすを見て、ソフィアは実感するのです。「勝つ」とは、他の人を負かすことではない……プログラミングの心得は、普段の生活の中でも生かせることがありそうです。