ベトナム戦争で死んだ父のことを母は何も話さない。どんな人だったのか、ぼくをどう思っていたのか。家族の絆を探る少年を描く。
1932年、中国に生まれる。1957年より4年間日本に滞在。作品に『ガラスの家族』などがあり、日本の民話絵本の翻訳も手がける。『テラビシアにかける橋』『海は知っていた』でニューベリー賞を受賞したのち、1998年には国際アンデルセン賞、そして2006年にアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。
東京に生まれる。東京女子大学文学部卒業。共同通信記者生活を経て、現在英米文学の翻訳に従事。『修道士カドフェル』など大人向け作品のほか『ガラスの家族』『父さんと歌いたい』『悪童ロビーの冒険』などパターソンの作品のほか多数。第42回児童文化功労賞受賞。日本児童文学家協会顧問。JBBY会員。
主人公のパークが、死んだ父さんの実家に行き、そこにすむ、叔父や祖父、東洋人の少女に会い、徐々にいろんな謎が解き明かされていく。謎を解く全ての原因は、「ベトナム戦争」であった。それにより、みんな今もなお、傷つき、苦しみ、泣きながら、必死に生きている。戦争で傷つくのは、普通の人々なんだと、胸が痛くなる。登場人部みんなが、いとおしい。最後に、パークと少女と祖父の心が触れ合った瞬間、希望が見出せて、涙が止まりませんでした。(読者の方より)