ロシアに生まれ、盲目の身でインドをはじめアジアを旅した、現代の吟遊詩人エロシェンコ。彼の愛した〈ほんとうの自由〉〈なにものにもとらわれない勇気〉を描く童話4編と詩とエッセイ。
1890年に南ロシアのクールスク県アブーホフカ村で生まれる。四歳の時にハシカにかかり、高熱のため盲目になる。著書に『夜明け前の歌』『最後の溜息』『人類のために』『鷲の心』『正義の花』『ある孤独な魂のためいき』などがある。
1908年に静岡県伊豆に生まれる。東京文理科大学教育学科中退。東京文理科大学英文科卒業。1933年改造入社。1944年に戦争で満州へ。敗戦によりシベリアに抑留されるが、1949年復員。静岡大学を経て、現在は和光大学名誉教授。おもな著書に『極光のかげに』『スターリン体験』『シベリアに眠る日本人』、訳書に『トムは真夜中の庭で』『子どもの本の歴史』など多数。1959年に刊行されたみすず書房刊『エロシェンコ全集』全5巻を編む。