きみのヒミツを知って、恋がはじまる
最高にキュンキュンするラブストーリー!
少女漫画のヒーローにあこがれるコータと
クールに見えて、かわいいものが好きな優衣。
ふとしたことから、おたがいのヒミツを知った2人は
しだいに、相手を意識するようになって……!
なりたい自分と現実のギャップに悩む
すべてのひとに贈る
最高のラブストーリー!
まわりから投げかけられる、なにげない言葉や態度が
閉じこめていた、なりたい自分。
背中をおしてくれたのは、きみだった。
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ふつうはふつうじゃないって知れば、わかれば、変わることだってある。
優衣の提案は、まさにそういうものだった。
『おれ、そういうこと思ってても、いつもすぐにあきらめちゃってた。』
いってもしょうがないから、笑ってごまかしてた。
知られたらめんどうだから、かくしてた。
『わたしだって、めんどうだよ。もう、すっごくめんどう!』
優衣は眉根をよせて、ちょっと怒ったような顔になる。
『いっても意味ないって、思うことばっかりなんだもん。……でもね、思ったんだよ。』
いったん言葉を区切って、優衣はおれをまっすぐに見た。
『今回のこれは、わたしだけの問題じゃないって。』
ちょっと胸がじんとした。
(本文より)
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背が低く、周囲からカワイイといわれることにコンプレックスを持つ洸太と、背が高く、友達からカッコイイキャラを強要されがちな優衣。
そんなふたりが、なりたい自分になっていくストーリーというと、よくあるお話に思えるかもしれません。
しかし、本作では、本人が気にしていること、コンプレックスが解決されればいい、という立場はとらず、そう思うに至った原因、たとえば漫画や広告などほぼすべてで「異性カップルでは男性は女性より身長が高い」ように描かれていることや、まわりの人のなにげない発言が、少しずつ人を傷つけ、抑圧してしまうことを描きます。
マイクロアグレッション(ちいさな攻撃性)ともよばれる、日常にひそむ「ふつうはこう」という思い込みや偏見の存在を認めつつ、それでも諦めずに「なりたい自分」に踏みだすふたりの姿に、勇気をもらえる作品です。