「ハンセン病」はかつて不治の病、遺伝病と考えられ、患者やその家族は差別や偏見に苦しんできました。症状が、体温の低い顔や手足にあらわれたこと、また、「らい予防法」という法律により、患者の強制隔離が長く続いたことが、この人権侵害を助長してきました。1996年に「らい予防法」は、廃止されますが、差別と偏見はいまだなお、続いています。この本は、元ハンセン病患者である山内きみ江さんの生い立ちから現在までを描くことで、元患者の人生、そして、社会問題ともいえるハンセン病問題を浮き彫りにします。
報道カメラマンの片野田斉さんが、元ハンセン病患者である山内きみ江さんに密着し、その私生活を4年間追いかけました。
元ハンセン病患者の人生を知ることで、「ハンセン病問題」とはなにか、若い読者に考えてもらえればうれしいです。