ユイとタクミとモエのパパは、もちろん人間だ。でも、ママがキツネだということは、パパのお父さんとお母さんも知らない秘密だった。今年の夏休み、ユイとタクミは、初めて二人だけでパパの故郷の町に行くことになった。なんとか無事におじいちゃんたちの家についた夜、河原にホタルを見にいった二人は、キツネのお面をかぶった男の子とその兄に出会った。兄弟は、もうすぐ山でひらかれる「ナツギ祭り」に参加するためにこの町にやってきたのだという。
1970年神奈川県に生まれる。漫画家・イラストレーター。自作のコミックに『トモネン』があり、挿し絵を担当した作品に「ティーン・パワーをよろしく」シリーズ、『勇太と死神』『旅するウサギ』『おばあちゃんの歳時記 暮らしの知恵』、「シノダ!」シリーズなどがある。
「シノダ!」シリーズ9巻目は、さわやかな夏休みのお話です。ユイとタクミは、いつもは年末に行っていたパパの故郷に、初めて夏に行くことになります。そこで出会った、キツネのお面をかぶった男の子の正体は? 彼らが行こうとしている「ナツギ祭り」ってどんなお祭りなんでしょうか。「山には魔法の力があふれる」というそのお祭りに参加するためには、手形が必要らしいのですが、ユイたちはお祭りに行くことができるのでしょうか。
シリーズの中では、富安陽子さんのファンタジーの原点にもっとも近い作品かもしれません。どうぞ楽しんでいただけますように。