定価(本体価格) | 1,600円+税 |
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偕成社在庫 | なし |
対象年齢 | 小学校高学年から |
ジャンル | 読み物 > 伝記・ノンフィクション |
サイズ(判型) | 22cm×16cm |
ページ数 | 147ページ |
ISBN | 978-4-03-617140-8 |
NDC | 486 |
発売日 | 2005年9月 |
なぜ、樹液の出る木と出ない木があるのか? 著者は最近注目されたボクトウガの幼虫の飼育に成功。長い間の謎に迫った力作。
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
この本は、いつものように私自身が野外で観察して、たしかめたことをまとめてあります。今回は雑木林と、そこに生きる昆虫たちの話から、樹液の出るしくみまでを調べました。
そして、とくに樹液の成分を、広島大学の本田計一先生に依頼して教えていただきました。
そのうえ、ボクトウガ幼虫の新しい生態が、香川大学の市川俊英先生によって発表されたので、それをたしかめるために、夜の雑木林の中で息をひそめ、シャッターを切り、最後は幼虫を採集して、室内で飼ってたしかめました。
樹液には、カブトムシやクワガタをはじめ、たくさんの昆虫が集まりますが、なぜ、樹液の出る木と出ない木があるのか、長い間の謎でした。わたしは、幼虫を飼育することで、クヌギやコナラの木の中にボクトウガの幼虫がいれば、まちがいなく樹液が出ることを確認したのです。このため、3年がかかりました。
ところが、このあいだに、まさかクワガタやカブトムシが主役になっている「ムシキング(甲虫王者)」というゲームができ、子どもたちが映像を前に夢中になってキーをたたく現象がおこっていようとは思ってもいませんでした。
幸か不幸か、そういうときに、この本を出す結果となりましたが、ゲームのあとに雑木林に行って樹液を探してください。形が小さくても実物は迫力があるし、やっぱり実にかわいいものです。
それで昆虫に興味を持ち、昆虫少年がひとりでも多くなれば、わたしがこの本を書いたことは無駄ではなかったと思います。(矢島稔)