表題作「北風のわすれたハンカチ」の他「小さいやさしい右手」「赤いばらの橋」を収録。北風の女の子や、魔物など、異界の住人との交流を描く傑作中編集。神宮輝夫による安房直子との対談も収録。
1943年、東京に生まれる。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。『さんしょっ子』(日本児童文学者協会新人賞)『北風のわすれたハンカチ』(産経児童出版文化賞推薦)『風と木の歌』(小学館文学賞)『遠い野ばらの村』(野間児童文芸賞)『山の童話 風のローラースケート』(新美南吉児童文学賞)『花豆の煮えるまで—小夜の物語』(赤い鳥文学賞特別賞)など受賞多数。1993年、永眠。
この本は幼い頃大好きだった本です。それなのになぜかなくしてしまいずっと探していました。図書館司書の資格を取ってからはいろいろな方法で探しましたが、絶版となっていたような……。先日書店さんが、学校に本をたくさん持ってこられた中にこの1冊を見つけ、迷わず購入しました。たしかにさし絵が1色になってしまったのはさびしい気もしますが、とにかくこの表紙の本が文庫でもいいから手に入って本当に本当にうれしいです。偕成社様に心から感謝しています!!(愛読者はがきより)