ぼくんちに突然、海賊があらわれたんだ!
しかもぼくととなりの犬チロにしか見えない。
トレジャと名のる、らんぼうな海賊だ。
「この世の果てにあるという青くて四角でうたうもの」を
さがしにやってきたんだって。
ぼくもいっしょにさがすはめになった。
トレジャはらんぼうで、大食いで、
デリカシーがなくて、気がみじかくて、
しかも海賊だから、
人のものをうばってもおかまいなし!
岩手県に生まれる。東北薬科大学卒業。『霧のむこうのふしぎな町』で、日本児童文学者協会新人賞を受賞。『ミラクルファミリー』で産経児童出版文化賞、『牡丹さんの不思議な毎日』で産経児童出版文化賞大賞、『つづきの図書館』で小学館児童出版文化賞。ほかに『とび丸竜の案内人』『大おばさんの不思議なレシピ』『ドードー鳥の小間使い』『バク夢姫のご学友』等多数のファンタジー作品を発表する。
日本を代表するファンタジー作家柏葉幸子さんの描き下ろしファンタジーです。主人公は小学校4年生の男の子、良太です。ある日とつぜん、マンガの中の登場人物である海賊トレジャが現れ傍若無人にふるまいます。トレジャの自分勝手で乱暴な言動に困り果てる良太ですが、それでもいつのまにかトレジャが好きになっていきます。自分の苦手なタイプの相手を好きになっていく過程がユーモラスに語られます。