ホンリエーヌちゃんが読んでいた本から逃げだしたきまぐれろをさがす、まるぼと仲よし4人組。きまぐれろは本に戻ってくるのか?
受賞歴:
★刊行時に寄せられたメッセージです
『へんてこもり』というのは、ヘンテ・コスタという名の、まじめなおじさんが作った『ヘンテ・コスタの森』の「あだな」であって、へんてこな森のことではありません。それなのに、時がたつにつれ、森はとてもとてもへんてこな場所になってしまいました。きっと、そう呼ばれ続けたことで、「物」が 「言葉」に近づいていったのでしょうね。言葉の力の不思議さよ!−−なんちゃって。でも実際、この森のへんてこさは、言葉の不思議さと無縁ではありません。そもそも、森の中でしりとりに詰まった子がでたらめに「まるぼ!」と言ったとたん、「まるぼ」という言葉が、動物に姿を変えて現れたのが、お話の始まりなのですから。
そんな調子でお話は二作三作と続き、今回できたのが、四作目『へんてこもりのきまぐれろ』というわけです。
『きまぐれろ』というのですから、もちろん、きまぐれな子の話なのですが、如何せんきまぐれなので、いたと思うともういない、といった調子で、なかなか姿を現しません。むしろ、その子を追い求めて、森の中を進む捜索隊の話というべきかも知れません。ま、捜索隊などといっても、『金のがちょう』みたいに、ずらずらずらずらつながってただ走るだけなんですけど。でも、仲間になって走っている気分で書いているうち、おめでたいことに、私はすっかり楽しくなってしまい、あ、これなら読んでくれる子どもたちも、きっと楽しんでくれるぞ、と少し自信を持ったのです。
そこではずみがつき、「そうだほんとに走って遊んでもらおう!」と、このお話で劇ごっこができるよう歌の節もつけておきました。どうぞ試してみて下さい。登場人物は13人です。(たかどのほうこ)