ミッチ が 海でひろったのは にじいろにひかる 貝がら。
夜になると 貝のなかから ちいさなうたごえが きこえてくる。
いったい だれの こえなのかな?
ふしぎな ともだちとであう シリーズ第3弾!
ミッチは、花の種やきれいな石ころなど、道ばたでひろったものをコレクションしています。
ある日、家族であそびにいった海で、きれいな貝がらをひろいます。
ラッパに似たかたちで、にじいろにひかる貝がらです。
ミッチはすっかり気に入って家にもちかえり、机にかざります。
夜になると、なんとその貝の中から小さなうたごえが聞こえてきました。
ミッチは、うたごえのぬしと、ともだちになりたいと思うのですが……。
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どこからか、とつぜん 小さなうたごえが きこえてきた。とてもきれいな、女の子のうたごえだ。
びっくりしておきあがると、ぼくは くらいへやの なかをみまわした。どこから きこえてくるんだろう、このうた。そうおもって 耳をすませてみると、うたごえは つくえのうえに おいた、ラッパ貝がらから
きこえてくるみたいだった。
ぼくは ベッドからおりて、ラッパ貝がらのあなに 耳を ちかづけてみた。うん、まちがいない。たしかに 貝がらのなかから うたがきこえる。
(本文より)
1983年、群馬県生まれ。『サナギの見る夢』で講談社児童文学新人賞佳作、『ミステリアス・セブンス―封印の七不思議』でジュニア冒険小説大賞を受賞。作品に『カエルの歌姫』(日本児童文学者協会新人賞)『ラビットヒーロー』などがある。
「ミッチの道ばたコレクション」第3弾は、海が舞台。
ミッチがひろった貝がらから、きれいな歌声がきこえてきます。
だれが歌っているのでしょう?
『セミクジラのぬけがら』『ドラねこまじんのボタン』から続くお話、お楽しみください。